-Story2-side夢主- ページ3
居酒屋を出て二人と別れてタクシーに乗り込む私達。運転手さんに場所を教えたあと少しの沈黙を破って私達は話し始めた。
「ごめんな、来てもらって」
「い、いえ！センラさんの安全が一番なので！！」
いけない、考え方がオタクすぎる…。
しかも眩しすぎて一回もセンラさんの顔を見ていない。それでもセンラさんは私にずっと話しかけてくれる。
「そっか。あ、名前ってなんていうん？」
「な、名前？…Aって言います」
「…A、いい名前やね」
「ありがとうございます。」
推しに名前を聞かれ、呼ばれ、褒められ、多分私は今日の帰り道何かしらの事故に合うんでしょうか神様…！！！
「着きました」という運転手さんの声でセンラさんはお金を渡して、車から降りた。
私はこのまま駅まで行こう、と思ったけど終電ないわ…近くのやっすいラブホとかに泊まろう。
なのにセンラさんは私に手を差し出してくる。「私このまま駅まで帰ります！」車からそう話しかけると、「もう電車ないやろ、センラがそこで事故ったらどうすんの？」なんて笑いながら言ってくる。それはいけないと思いやっぱり車から降りる。センラさんの手は使わずに。
「せっかく出したのにー」とちょっと残念そうに言うけれどその顔は笑っている。
推しの手なんて気安く触ってはいけない。
マンションのエレベーターに乗って眠そうなセンラさんのあとをついていく。ライブ終わりだよね、そりゃ疲れてるよ。家まで送ったら即タクシーを呼んで駅近のホテルに流れこもう。そんなことを考えている間にセンラはフラフラしながら家までたどり着いた。
「あ、センラさん！私もう行きますね！ライブお疲れ様でした…」もう絶対会えない。これでもうセンラさん記憶から私が消えると思うと悲しいけれど私はただのリスナーだ。可能性なんて一つもない。期待なんて馬鹿げてる。これが最後の挨拶だと思いながらも“お疲れ様でした”とかいうしょうもない言葉しか出てこない。
その場から去ろうとした瞬間、ドアを開けたセンラさんに腕を思い切り掴まれ家の中に連れ込まれた。これ以上は流石にだめだと思いながらも引っ張られてそのまま歩いていく。
何個もあるドアの中から一つ部屋を開けるとそこは寝室で思い切りベッドにダイブしたセンラさん。もちろん私も。まさか…なんて思ったけどその考えはすぐに消滅した。
私を後ろから抱きしめながらセンラさんは寝息を立てていたのだ。
この状況は一体どういうことですか…
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耳上出蛙(プロフ) - まだ途中までしか見ていないのですが、微妙にお互いの感情を理解しきれていなくて読んでてもどかしくなるような続きが気になるようなお話でとても凄いと思います。このままいっぱい読んできますね！ (2020年8月26日 1時) (
レス) id: e26948917f (このIDを非表示/違反報告)
ハル晴れ(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます！あんまり無理しないでくださいね。いつでも待ってます。自分のペースで更新頑張ってください！！ (2020年3月10日 17時) (レス) id: d87eb6d55e (このIDを非表示/違反報告)
作者 - 名前をとりかぶとにしてたの忘れてたらセンラさんが車の中でとりかぶと…いい名前やねって言ってて爆笑した。 (2020年3月4日 10時) (レス) id: 80f40766eb (このIDを非表示/違反報告)
だっち(プロフ) - 前作から流れてきました！今作もすごく面白くて、更新楽しみにしてます!! (2020年3月3日 22時) (携帯から) (レス) id: 7167dc6512 (このIDを非表示/違反報告)
たかめい(プロフ) - いつも楽しく読んでます！更新頑張ってください！(*^^*) (2020年3月3日 22時) (レス) id: 651a3f3b57 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れおなちゅ
| 作成日時：2020年2月29日 21時
