俺のオキニの愛し方【センラ】

-Story10-side夢主- ページ11

数時間がたってセンラさんはまた酔っていた。
私はというと…

「センラさん…もうお水にしましょう？？」

「Aちゃんまだ全然飲んでへんやん」


推しを目の前にお酒飲んで酔えるはずがない！！！何しでかすかわからないし…
しかも緊張で酔えるとかじゃない。

「私が飲んだらセンラさん事故ったとき助けれないじゃないですか！」

「そうやなぁ…」

そう言いながらも頭をなでてくるこの男は天然女たらしだ絶対。絶対そうだ。
こういうことすれば喜ぶってわかっているんだ。確かに喜んでるけど！！！！

「ちょっと、…」

「ほんまかわええなぁ」

「…」

推しに！！！大好きな推しに！！！というより好きな人にそんなこと言われる人生！！！！
多分帰り道に事故る…
それよりもセンラさんを無事に家まで届けなければ。

「お会計お願いします！」

「え？Aちゃん？」

「センラさんが潰れる前に家に帰らせます！」

「そんなすぐに潰れへんよおー」

とかいってるセンラさんはほぼ潰れる前。
ヘロヘロで明日記憶飛ぶやつ…

「彼女さん大丈夫？運べる？」

「？！…あ！はい！ありがとうございます！」

か、彼女さん…。
違うけど…はいとかいっとこ…

お店から出ると
「彼女さんやってーわかってるなぁあの店員さん」

おちゃらけて言うけれどそれもまた私の心が限界を迎えそうになる。嬉しいのに虚しい。
そんな複雑な心境だけどセンラさんにふさわしいそんな女の子になりたいと毎日頑張っているのだ。

「もー！からかわないでください！タクシーきましたよ！」

「はいどうぞ」なんて私を先に乗らせてくれるとことか酔ってるのに男をしていてずるい。

運転手さんに行き先を伝えてしばらくの沈黙が流れる。

「…」

「…」

「Aちゃんはなんでセンラを推してくれてるん？」

「…え？」

急に喋ったと思ったらそんなこと。
知らなくていいのに。

「私兄がいるんです。アニメ好きで小さい頃アニメを一緒に見てくれたり、イベントに連れて行ってくれたりしてくれた優しい優しい兄がいるんです。ある時兄が家で千本桜を聞いていて、私そのリズムというか曲がすごく好きになりまして、兄に他のも聞きたい！！ってねだっていて初めて兄に聞かせてもらった歌ってみたがセンラさんの千本桜でした。私その時センラさんって知らなくて聞いていたんです。何度も兄にせがんで聞かせてもらっていて…高1の春自分でそういうのを操作できる時代になって私必死に探していたんです。」

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