story 6 イルミ“無関心”(2) ページ12
イ「…はあ？」
すると、イルミが急に目を見開いた
イ「ねえ。今、何て言った？」
私は驚いてイルミに視線を向ける
私「…えっと。」
先程までと打って変わった食いつき方に、少々たじろいだ
私「…無関心。そう言ったの。」
そして、今に至る
私の腕を掴んで屋敷の廊下を歩き続けるイルミは、後ろ姿からはその表情がわからない
私(どうして怒ってるんだろう。)
イルミの腕を掴む力が強い
無理矢理前進しようとする強引さから言っても、彼の機嫌が悪いことは自明である
私が何か、彼を怒らせるようなことをしてしまったのか
無関心という発言が彼の癇に障ったのか
考えを巡らすが、私の頭にはハテナマークしか浮かばない
気付けば、イルミの部屋の前に立っていた
ドアノブに手を掛けるイルミ
私は掴まれていない方の手で、それを制した
私「待ってよ。急にどうしたの？」
イルミは扉から私に視線を移すが、何も答えずに、ただじっと見つめた
私「何を怒ってるの？私がイルミに何をしたの？」
尚も答えないイルミ
私「無関心って言ったことが癇に障ったのなら謝るから。だから、そろそろ…」
イ「うん。それなんだけどさ。」
やっと口を開いたかと思えば、彼はグイッと顔を近づけた
イ「それが、間違い。」
私「えっ…？」
イ「努力を否定された。それに怒ってる。」
ますます意味がわからない
きょとんとしていると、イルミは腕を引っ張って私の身体を寄せた
イ「オレは頑張って抑えていたつもりだったんだけどね。それを、無関心と捉えられたんだ。」
何だか雰囲気が穏やかじゃない
距離が縮まったことに喜ぶべきであるが、同時に危機感を感じてしまうのは私の気のせいなのか
イ「怒ってる。ムカつく。」
イルミの体重が正面からかかった 抱きしめられたのだ
私(ああ…なんだ。)
彼は、拗ねているだけだ
私「誤解されるようなことをしたイルミも悪い。」
イ「オレのせい？」
私「あんなに避けられたら、そりゃあね。」
イ「避けてない。会いたくなるから、我慢してただけ。」
私「じゃあ、もう…我慢の限界？」
ぴくっ、とイルミの身体が反応した
イ「止めるなら今だけど。」
何も答えずに、私は彼に向かって微笑んだ
ドアノブが回され、初めて彼の部屋に足を踏み入れる
今夜は人生の初めてを、彼と共に過ごした
続く (更新停止中)
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みずみかみ(プロフ) - ユーリンチーさん» 長編に引き続き、コメントありがとうございます。とても嬉しいです。更新頑張ります。 (2020年2月6日 17時) (
レス) id: f97e0391ba (このIDを非表示/違反報告)
ユーリンチー - とっても面白いです!更新待ってます! (2020年2月5日 19時) (レス) id: 2fb14d05c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みずみかみ | 作成日時：2020年1月30日 19時
