6話。 ページ8
〜一也side〜
「で、どうしたんですか?」
俺は、呼び出してきた、爽哉先輩に聞く。
爽哉先輩は、
「助けてよ、一也っ…_」
今にも泣きそうな声で言った。
「どっ、どうしたんですか?」
そんな先輩に慌てて駆け寄り、聞く。
先輩は、語り始めた。
「さっきね、朝休みの時に、和真がいてさ、挨拶したんだよ。そしたら、和真が、
「俺、最近2年のAって子が気になるんだけどさ、知らない?」って聞かれてさ…
ねぇ一也。俺どうしたらいいかな。諦めて応援した方がいいのかなぁ…」
先輩は、途中から泣き始めてしまった。
俺には分からない。どうすればいいのか。
先輩が悩んでる、泣いてる。こんな時、どうしたらいいの…?
魁翔なら、どうする?
おれは、先輩を抱き締めた。
「俺にはっ、わからないですっ……でも!それでも、諦めちゃダメなんじゃないですか……?先輩は、俺と違って中学生の頃から置い続けてたじゃないですかっ……それを、その一瞬のことで諦めないで欲しいですっ……!」
俺は、泣きながら言った。
先輩は最初驚きはしていたものの、すぐに戻り、俺のことを抱き返してくれた。
「ありがとう、一也」
そう言ってくれた。
嗚呼、やっぱ先輩は強いや。
俺はそんなことあったら泣いちゃうだけじゃ済まないよ。
「お願いだから、もう泣かないで?俺は泣き顔よりも笑った顔が好きだから。ね?」
俺は先輩の言葉に、先輩のことをぎゅっとしつつ、顔を見せ、ニカッと笑って見せた。
「は、い……僕も、好きですよ、先輩の笑顔……」
それを誰かがみてるとは思いもせずに。
11人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ