【名探偵コナン】トリップ娘は推しキャラの顔見知りを目指す【安室透/降谷零】

第38話 ストーカーXは誰か。 その6.お互い ページ40

安室「流花さん.....」

流花「あ、支払いは現金？それとも振り込みですか？」

安室「お金は要りません。別に依頼しなくても手抜きなんてしないですしちゃんと解決しますよ。」

流花「や、その心配は微塵もしてないです。単に何かあったら依頼で受けるって、それと有料って約束だったので。」

安室「わざと言ってます？それはただの冗談で別に営業で言ったわけじゃありません。.....流花さんは僕をそんな人間だと思ってるんですか？」

最後の一言を落ち込んだような声音で話す安室さん。反則ですやめて。その憂いを帯びた表情も反則ですレッドカード。なんてあざとい。絶対全部分かっててやってるこの人。でもいくらあなたがかっこいいからって負けません。

流花「そんな訳ないです。それより安室さんはどうして依頼にするのが嫌なんですか？仕事ってことにした方が得だと思うんですけど。」

大分疑問なことをぶつける。
彼は、すん、と作り物の表情を消しどこか強気な笑みを浮かべる。

安室「それを言うなら流花さんは何故依頼にすることに固執するんですか？僕はお金なんて要らないと言ってるのに。流花さんにとって損でしかないにも拘らず頑なに食い下がる理由は何でしょうか？」

言い方がひどい。

流花「損なんてないです。さくちゃんに危害を加えるかもしれないストーカーを突き止めてもらえるんですから。だから私は安室さんにその時間と労力に見合った対価を.....」

安室「つまり流花さんは、今回の件で僕の時間を奪うことと面倒をかける正当な、強いて納得できる大義名分が欲しいから依頼をしたいと。」

全てを見透かされたような瞳で真っ直ぐ見つめられる。寸分の狂いも無く思いを言い当てられて、ひやりとしたものが体の芯を貫く。

安室「当たりですか？約束を言い出したのは僕なんですから気にしないで下さい。何より僕は流花さんに時間を奪われるとも面倒をかけられるとも思ってもいませんよ。前も似たようなこと言ったでしょう？」

.....本当は多忙を極めてる降谷さんに首を突っ込んでほしくない。でも私がストレートにそう言っても降谷さんは納得してくれないし助けてくれちゃう人だって知ってます。それに約束もしちゃったから、私が折れます。なのであなたにとって無益なサービスにならないように少しでも甲斐があるように、これは何がなんでも、苦し紛れであろうと押し通します。だから、降谷さんも折れて下さい。

流花「残念、不正解です。流花無償で人に何かをされたくないんですよ。安室さんには前に助けてもらっちゃったから尚更です。」

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