【名探偵コナン】トリップ娘は推しキャラの顔見知りを目指す【安室透/降谷零】

第36話 ストーカーXは誰か。その4.容疑者候補 ページ38

《高槻流花に近付くな。さもなくばお前を殺す。》

明らかな脅迫文メール。送り主はさくちゃんのスマホに登録されていないみたいだ。画面をスクロールしていくと私とさくちゃんが先程窓際の席で話している写真と、死体の写真とさくちゃんの顔写真を合成した写真が載せられていた。

安室「これは...イタズラで片付けるには無理がありますね」

耳元で聞こえた酔いしれそうな美声にびくりと肩を揺らす。安室さん、見てたの。気配が全くしなかった。耳がくすぐったい、心臓止まるかと思った。次に耳元で話す時は合図を下さい、不意打ちはだめです。

流花「安室さん、これ.....。」

安室さんは、すみませんと言って私の手から優しくスマホを奪う。メールを確認している様子だ。

流花「早く何とかしないとさくちゃんが危ない.....それにさくちゃんは城山君にストーカーされてるかもしれないですし。」

さくちゃんの身の危険を及ぼす要素が重なったことに焦ってしまう。そんな私とは対照的に安室さんは表情1つ崩さず、私を見てかぶりを振った。

安室「いえ、おそらく城山さとしさんは三橋さんのストーカーじゃありません。」

おそらく、なんて言葉が掻き消されるようなはっきりとした口調に動揺する。

流花「なんで言い切れるんですか？」

安室「彼はポアロの反対側の道路からあなた達に偶然気付いて見ていた様子だったので。」

流花「そういう振りをしただけじゃ？」

安室「作為的な行動には見えませんでした。あまりにも無防備すぎる。何より.....。」

と言いかけたところで彼は言葉を止める。

安室「いえ、それより僕は流花さんが気にしていた男性の方が怪しいと思います。流花さんを観察するようにじっと見つめていましたし、あなたがここにいると分かっていて故意的に通りかかったように見えました。」

流花「ああ、その人、大学院の先輩です。名前は分かりません。」

咲良「あの、私ちょっと気になることが...。」

困惑しながら私と安室さんの会話を聞いていたさくちゃんが口を開いた。

咲良「そのメールの送り主かは分からないんですけど、私の幼なじみの大橋海という男の子が最近、流花ちゃんの知ってること何でも教えてって言って来てて。ほんとにしつこくて勢いもすごいから変だなあって思ってあまり話しはしなかったんですけど 」

大橋海。さくちゃんの幼なじみで何回か話しを聞いていた。互いに認知はしているけどあまり関わったことがない。

安室「そうだったんですね、それで三橋さんはどこまで彼に話したんですか？」

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