第35話 ストーカーXは誰か。その3.対談 ページ37
客は私たちだけということもあってか安室さんは私の目の前に座っている。何もなければ諸手を挙げて喜べるのだが。
安室「なるほど、そういうことですか。」
見られたことの関連以外に、城山さとしの人物像や本人との関係性まで根掘り葉掘り聞かれた。というより私から話すように誘導させられた感が否めない。いやらしい手口、でも安室さんだから全然不快じゃなくむしろ最高です。
安室「見られていると分かって以降、城山さとしさんと話したことは?」
流花「1回だけあります。」
安室「彼から話しかけられたんですか?」
流花「いえ、私からです。」
安室「.....何故?」
流花「不審者に挨拶して犯罪を防ぐ、みたいな.....対策法を....しようと......そのついでに.....。」
安室さんの目に鋭さが宿り、思わず当てられて言葉が途切れ途切れになってしまう。
安室「彼が黒か確かめようと?あなたは相変わらず危ないことをしますね。」
うっ、視線が痛い。前回から懲りてないとか学習能力がないとか呆れられちゃったかなぁ。
流花「でも話しかけたの講義中で.....」
安室「その時誰かと一緒にいました?そもそも周りに人は座ってました?」
流花「.....その時は誰もいなくて.......すみません、1人のタイミング狙って話しかけました。」
安室「.......それで?彼の様子はどうでした?」
流花「普通でした。挙動不審でもないし特におかしいところもなく、いつもと変わらず淡々とした感じで。だからそんなやましいことはないかもって思ってたんですけど、」
安室「先程、大学以外で初めて城山さんが隠れるように三橋さんを見ていたと。」
流花「はい。」
安室さんは僅かに目を細め口に手を当てて何やら思案している。その仕草とその表情がただただ綺麗で尊くて、卒倒したくなる。
もっと安室さんのその素敵な姿を堪能したいけど、独り占めしていたいけど。
流花「安室さん、大事なお話が.....」
咲良「いやっ!!なに、これっ.....。」
さくちゃんの悲鳴に弾かれたように私は彼女の元に向かう。さくちゃんは青ざめた顔でスマホを眺めていた。
流花「さくちゃんどうしたの?」
咲良「っ、流花ちゃん...。」
さくちゃんは怯えたような気まずい表情をしてスマホを隠すように胸元へ持っていく。
咲良「な、何でもない.....」
流花「何もない訳ないでしょっ。」
思わず声が尖ってしまう。びっくりしたさくちゃんがスマホを落として、素早くそのスマホを拾う。画面には━━━━━━━━━
━━━━━《高槻流花に近付くな。さもなくばお前を殺す》
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未来ーミクー(プロフ) - 面白かったです!最初は「読みにくっ」と思いましたが内容は素晴らしかったです!!この調子で更新頑張って下さい。続き待ってます (2020年1月17日 16時) (レス) id: 6e3b9846a0 (このIDを非表示/違反報告)
一ノ瀬花恋(プロフ) - さちさん» めっちゃ嬉しい、読んでくださってありがとうございます!楽しんでいただけて何よりです。更新なるべく早くできるように頑張ります! (2019年10月26日 21時) (レス) id: 8df8383c0e (このIDを非表示/違反報告)
さち - おもしろいです。続きが楽しみです。よろしくお願いします。 (2019年10月26日 20時) (レス) id: 5f335610e5 (このIDを非表示/違反報告)
一ノ瀬花恋(プロフ) - まさるさん» ご指摘ありがとうございます<(_ _)>修正しました! (2019年8月20日 22時) (レス) id: 8df8383c0e (このIDを非表示/違反報告)
まさる - 毛利探偵事務所の住所は、東京都米花市米花町です。東都などという地名はありません。 (2019年8月20日 13時) (レス) id: 7e2c3c7e2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:一ノ瀬花恋 | 作成日時:2019年8月17日 5時