28 ページ28
.
テレビの音よりも私の心臓の音のほうがでかいんじゃないかって不安になる。
岸さんはそんな不安を気付いてないかのように、
「俺も、名前で呼んでほしいんだけど」
なんて、さらに心臓に悪いことを言われる。
『…待って、私……心臓、壊れる』
「……それって、俺のせい?」
わかってて聞いてくるんだから、ちょっと岸さんはいじわるかもしれない。
コクンと頷くと、隣でよっしゃ、なんて小さくガッツポーズしている。
「それさ、めちゃくちゃ俺のこと意識してくれてるって、自惚れるよ?」
『……もうなんだっていいから、変なこと言わないで』
口を開けば私が照れるようなことを言うから、もうヘトヘトだ。
もう充分に働いた心臓を休ませてあげようと、寝る、と呟いて立ち上がった。
「A、おやすみ!」
寝室へ向かう途中の私に向かって投げかけられる。
慣れない呼び捨てにまだ休まらない心臓。
私だって、負けてらんない
なんて謎の対抗心が生まれて、くしゃっと笑う岸さんに向かって、
「おやすみ…優太」
と言うと、案の定赤く染まった岸さんの顔。
テクテク歩いてこっちに来る岸さんは下を向いて口をつぐんでいた。
目の前に来たと思えば、
私の手を取って、両手でギュッと包み込んだ。
『な、なに』
「だって、ガチで可愛いすぎる。…ほんとは抱き締めたいけど、ダメだから。…手で我慢してる」
固まる私をじーっと見た後、
パッと手を離し、おやすみ!と手を振った。
私より1枚、いや何枚も上手の岸さんはまたあの可愛い笑顔。
この人に対抗なんて、できないや…
おやすみ、と呟いてすぐ寝室へ向かった。
ベッドに入ると彼の匂いに包まれる。
ドキドキする胸を押さえながら、深呼吸をして眠りについた。
.
1676人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
hinata(プロフ) - みずきさん» 岸くんらしさを意識して書いていたので、そう言っていただけると、とっても嬉しい(>_<)!ありがとうございます!! (2019年4月14日 0時) (レス) id: e7607b97b4 (このIDを非表示/違反報告)
みずき(プロフ) - 岸くんが岸くんすぎて!!!好きです (2019年4月13日 23時) (レス) id: 8a2a6974ea (このIDを非表示/違反報告)
hinata(プロフ) - Sさん» 私ももう少し続けたいなと思ってます!大好きなんて嬉しすぎます!!ありがとうございますっ(T-T) (2019年4月11日 0時) (レス) id: e9f610ebf6 (このIDを非表示/違反報告)
S(プロフ) - もうちょっとで終わってしまいますか?(;_;)このお話大好きなので寂しいです、、、。廉くんにも岸くんにも頑張って欲しいです。 (2019年4月10日 17時) (レス) id: 123949a422 (このIDを非表示/違反報告)
hinata(プロフ) - ひかるさん» やっぱり(> <)!イケメンにそれやられたらやばいです!笑 (2019年4月10日 17時) (レス) id: e9f610ebf6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:hinata | 作成日時:2019年3月29日 20時