恋の風は歌声とともに (ページ11)

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11.目にゴミページ11

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「…ん、あれ？ここどこ？」

あたしの家ではないことは確か

寝室から出る廊下をウロウロしてると、灯りが漏れてる部屋を見つける

そーっと開けると、そこは大野さんの仕事部屋だった

ってことは、あの部屋は大野さんの寝室だったのか

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「おはようございます」

智「おはよ。よく寝れた？」

「はい。昨夜はすみませんでした」

智「飲み過ぎには注意しなきゃ」

「すみません。早速仕事されてるんですか？」

智「うん、まーね。それと、これ。次の新作の内容まとめたから目を通しておいて」

「次の新作！？これ、恋愛モノじゃないですか」

智「たまには違う路線で描いてみたくて」

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一度家に帰り、シャワーを浴びてフルグラヨーグルトを食べる

洗濯物を入れて、スイッチを入れる

メイクして、戸締り確認し、部屋を出る

満員電車に揺られながら会社へ向かう

自分のデスクに着き、大野さんから渡された新作の内容を見返す

タイトルは『君は僕の大きな存在(仮)』

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『彼女には忘れられない元彼がいる。僕はそんな彼女に恋をしてる。パン屋さんになると宣言したあの日、俺は彼女に救われた。銀行員になってパン屋を支えるって。夢を叶えて欲しいって…』

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忠「何泣いてんねん」

「…いや、目にゴミが入っただけです」

忠「ホンマかいな」

「これ、大野さんの次の新作の内容です」