秘密の恋は秘密のままで (ページ1)

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＊01. ページ1

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あの頃の彼は、やんちゃで

尖ってて、どんな女子とも仲良くなる感じ

優しいし、カッコいいし

好きになる女子は多かったと思う

彼女を取っ替え引っ替えしてたっていう噂も

それでも、あたしは

いつのまにか、彼に恋をしていた

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その頃は片想いのまま、平行線

単なるクラスメイトっていうくらい

教室の中で喋るのはレア中のレア

ちゃんと話したのは、図書室だっただろうか…

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翔「本、好きなの？」

「…本全般好き」

翔「え、雑誌とか漫画とかも？」

「うん。気になった本は何でも読む。だから、将来は出版社関係に就きたい」

翔「出版社…なれるといいね」

「うん。ありがと」

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話せたのはそれくらいで

彼が図書室に来ることもなくなった

それは卒業するまで続いた

お互い進学先も知らないまま、高校を卒業した

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あれから5年後

やっとの思いで、念願の出版社に就職

そこそこの企業で、働く部署は小説家の編集部

入口のソファスペースにいたのは…

紛れもなく、あたしが好きだったあの彼