ドミノ ② (ページ11)

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～山田哲人 side～

Aちゃんに近付きたいが故に出待ちなんてアホなことをしとる。

(普段はされる側やからする側って変な感じやな)

なんてくだらんことを考えてたらAちゃんが出てくるのが見えた。
全然こっちに気付いとらんかったからこっそり近付いて声をかけた。

『なぁ！』

｢っ！！｣

ものすごく驚いた顔。
新しい表情を見れたと思ったら少し胸が高鳴った気がした。

しばらく話し込んでたら電話がなった。
俺のかと思ったけど違ったみたいで、律儀に｢すみません！｣なんて言いながら少し離れたところで電話をするAちゃん。

とても嬉しそうな顔で話す姿が見えた。
そんな時ふと勇人さんの言葉を思い出した。

"Aにはもう心に決まった人がおるもんな？"

なんで今こんなこと思い出したんやろと思っているとAちゃんの口から発せられた言葉が俺の腹ん中のどす黒い何かを動かした。

"｢おやすみないさい！私もだいすきですよ！｣"

"私も"ってなんやねん。
"だいすき"って誰に向けた言葉なん？

勇人さんの話、ほんまやったんやな。

しばらく様子見ようとか思ってた俺がアホやったわ。
遠慮なんかしてたのが馬鹿馬鹿しい。

Aちゃんが謝りながら戻ってきた。

誰かと電話して赤らめた頬が月の灯りに照らされていて妙に妖艶で俺の苛立ちを掻き立てた。

『彼氏おるのにAちゃんはアカン子やね。』

そう言ってあと数cmで唇が重なる距離まで持っていった時だった。

｢あれ？Aやん！それに哲人さんも！｣

｢慎吾くん？！｣

石｢何してんの？こんな遅くまでドーム残って！｣

なんて言いながら笑顔で近付いてくる慎吾。

慎吾、

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わざとやろ？