平野様がご指名です。After Story 6

宝物 ページ18

〇宝物
｢続いての症例は、、｣

大切なカンファレンスの途中

ブーブーなり続けるスマホ

必死に手で抑えて、音を気持ちだけ軽減する

でも、

｢平野先生？笑

お子さんじゃないですか？どうぞ、電話出てください笑｣

｢すいませんっっ！｣

部屋を出て

スマホを見ると

案の定、唯人

｢もしもし？どしたの？｣

｢あのねっ、えーっと、、あの、、｣

｢なに？はやくして？｣

小1だから

1人で何でもできるって言ったのは唯人くんだよ

｢あの、パパが、、おかしいのっ！｣

｢パパ？｣

どした、、平野くん、、

まさか、イライラして

唯人に当たってるんじゃ、、

当たるのはキャバ嬢だけにしてくれ、、

｢パパね、なんか、息がおかしいの

はぁはぁ、してて、、｣

あー、そっちか

おっけー、大丈夫

｢大丈夫大丈夫

背中ポンポンしてあげて？

じゃあね、ママお仕事戻るから、ばいばい｣

大事件ではなさそうでよかった

はい、平野先生

お仕事頑張ります

ーーーーーー

｢えーっと、足し算だから、、｣

ママもパパもお仕事だから

1人で宿題してる

小学校

すごい楽しい

ガチャ

あれ

パパ？

遅くなるって聞いてたのに

｢パパ、おかえり！｣

｢ん、あぁ、唯人｣

疲れてるのかな

僕に向かって一瞬だけ微笑んで

すぐにお部屋に行ってしまった

｢んーー、、わかんない、、｣

難しい計算

パパに、聞こうかな

ママが作ったクッキーを持って

パパの部屋へ

｢パパー？

これ教えてほしいの、、パパ、、？｣

｢っはぁっ、、ゆい、、とっ、、？

ごめん、あっちっ、、行っててっ、｣

え、、？

部屋の電気もつけずに

座り込んでて

明らかに息が変

いつものパパじゃない

え、、どうしよう、、

｢パパ、大丈夫？｣

パパのそばにかけよるけど

｢大丈夫、、ほんまにっ、、っはぁっ、、、はあっ、、下いっ、、て？｣

｢むりだよっ、、｣

もうどうしたらいいかわかんない

そうだ、ママ！

｢大丈夫大丈夫

背中ポンポンしてあげて？

じゃあね、ママお仕事戻るから、ばいばい｣

絶対大丈夫じゃない、、

パパ、死んじゃうかもしれない

｢パパ、、っ、、｣

涙を必死に拭って

ママに言われたとおりに

パパの背中をぽんぽんする

「、、はあっ、、はあっ、、ゆい、、とっ、、」

「パパっ、、死んじゃやだよっ」

もうやだっ、、

宝物 2→←おじさん

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す