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目が覚めたら、もう太陽は高くまで昇っていた。
瞼の浮腫はひどくなっていたけれど、
それでも頭のズキズキは遠のいたし、身体も少し軽い。
隣に誰もいない、広々としたベッドに
眠る寸前の記憶が蘇ってくる。
……おわった、のかな。
あれだけ酷いこと言ったしね
ああ、明日からの仕事イヤだなあ
もっと綺麗にお仕舞いにしたかったな
とりとめのない後悔と思考が
よっしゃ、という聞き馴染みのある声でストップする。
おそるおそる振り返ってみれば、
ベッドに寄りかかるようにして座る見慣れた丸い後頭部。
猫背の後ろ姿。
スマホのスクリーンを高速で移動する、細い指。
「なんで、」
複雑な心境とともに絞り出した声。
……ああ、情けない。
まだ終わったわけじゃないのかも、って
ホッとしている自分が。
おう、起きた？って、眼鏡の端から一瞬こっちを確認して
またすぐスマホのゲーム画面に視線を戻す。
「なんでまだいるの」
「んー？」
可愛げのないわたしの問いに
待って、もうちょいで終わるから、と
スクリーンに指を滑らせて
「っし、オッケー」と何事もなかったかのように
振り向いた彼に脳の処理が追いつかない。
「何してたのって、」
「Aの寝顔みてた」
「うそ、ゲームしてるし」
「はは、だってなかなか起きねーんだもん」
「帰ればよかったのに…」
「泣いてる女の子を放って帰れるわけないでしょ」
俺優しいからさ？って得意のキメ顔をした彼が
冷たい空気と一緒にベッドの中に滑り込んできて、
あっという間に引き寄せられた身体。
「俺が優しくすると、なんだっけ？」
「え？」
「なにを錯覚するって？」
「言いたくない」
「他の男なんてどうでもいいって言ってましたけど」
「それはさすがに言ってない」
「おい、なんで大事なとこ忘れちゃうのよ」
笑う辰哉に両頬をむにっと挟まれて、
鼻先が触れそうなほど近づいた顔。
「ねえ、聞いていい？」
だめ、と即答したって
スイッチの入ったこの人が許してくれるわけがない。
優しいなんて、やっぱり嘘。
前言撤回。
眼鏡越しに見える彼の目は意地悪く光って、
わたしの心臓は早鐘を打ちはじめる。
「俺のこと、ほんとはどう思ってる？」
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藤野(プロフ) - エリさん» エリさま、最後まで読んでいただきありがとうございます…！そして嬉しいお言葉、恐縮です（ ; ; ）♡次は白さんのお話を書きたいと思っておりますので、ぜひぜひ読んでいただければ嬉しいです♡これからもよろしくお願いいたします！ (9月9日 23時) (
レス) id: 598697b442 (このIDを非表示/違反報告)
エリ(プロフ) - おつかれさまでした！本当に、素敵すぎる作品でした♡きっとこれからも何回も読み返してしまうと思います。今回のラウちゃんが可愛かったので、年上のお姉さまに必死なラウちゃん見たいです…(/ω＼*)これからも応援してます♡ (9月2日 22時) (レス) @page48 id: 75cad7619e (このIDを非表示/違反報告)
藤野(プロフ) - ひなこさん» ひなこさまありがとうございます！なんと嬉しいお言葉…（ ; ; ）少しでもドキドキしていただけていたら幸いです…！次の作品も楽しんでいただけるように頑張ります！♡ (8月25日 23時) (レス) id: 598697b442 (このIDを非表示/違反報告)
ひなこ(プロフ) - 完結おめでとうございます！リアコふっかのかっこいい部分とふわふわな部分具合が丁度良くて、主人公もとても可愛かったです♡何気ない日常でのプロポーズも本当に素敵でした！次回の作品も楽しみにしてます♩ (8月24日 23時) (レス) @page48 id: 3d8e593499 (このIDを非表示/違反報告)
藤野(プロフ) - lncjさん» いつもコメント嬉しいです（ ; ; ）♡ありがとうございます！完結までお待たせしてしまったのに、最後まで読んでいただき本当に感謝です…。次の作品も、また読んでいただけたらとってもとっても嬉しいです（ ; ; ） (8月23日 13時) (レス) id: 598697b442 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藤野
| 作成日時：2022年3月4日 17時
