06:Weiß Azalee ページ22
sk「ますたぁ!」
阿部「…」
sk「…ますたぁ?」
明くる日、いつもなら一緒に絡んであげるさくまを気にも留めず、阿部は資料とにらめっこをしていた。
さくまは少し寂しそうにひょこひょこと阿部の周りを跳ねているが、阿部はうんともすんとも言わない。
sk「むゥー…ま す た ぁ!!!」
阿部「うわっびっくりした。…何さくま」
sk「ますたぁ、さくまムシすル!」
阿部「え?あ、ごめん…」
sk「さくま、おこダヨ!」
阿部「ごめんって。没頭したらあんま他の人の声入んなくて…」
sk「さくま、おナカすいタ!だてさん!だてさんノ、しろイごハン!」
阿部「お腹空いたの?…あ、もう1時か」
部屋に飾っている自作の機械時計を見ると、時計の針は1を指していて。
資料に没頭しておおよそ3時間、といったところか。
さくまがいない前は、朝から作業に没頭して気付いたら夜だった、って事もあったなぁ。
なんてぼんやり考えながら、必要最低限の身支度を整えてさくまと共に宮舘と翔太のカフェへと向かう。
阿部「そうだ。さくま、今度工房でお留守番してて貰えない?」
sk「おるスばン?」
阿部「うん。ちょっと1週間ほど研究しに行きたい場所があってさ」
sk「いっしュうかン!やダ!さくま、ヒトり、やー!」
阿部「えぇ…じゃあ舘さんとこに泊まる?」
sk「や!さくま、ますたぁトいっショがいイ!」
阿部「そう言われても…」
先程阿部が読みふけっていた資料、それは照から貰ったものだった。
さくまと関係ありそうな研究所。…いや、今はもう跡地といった方がいいかもしれない。
ここから飛行船で半日程の国にあるらしいその場所に行けば、何かさくまについての手がかりもわかるかもしれない
…されど、さくまを連れて行けばまた暴走するかもしれない。
sk「…ますたぁ、さくまノコト、きらイ?」
阿部「えっ?嫌いな訳ないでしょ」
sk「さくま、ますたぁト、いク!」
どうも自分はさくまの悲しそうな顔に弱いらしい。
阿部「…仕方ないな…」
結局折れてしまう自分も自分なのだろうが。
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milkmilkmilk723(プロフ) - 最近このお話を見るために占ツク開いてます!更新応援してます、コロナで騒がれていますがお身体ご自愛ください! (2020年4月8日 21時) (レス) id: 2c3c24b282 (このIDを非表示/違反報告)
I-RISA(プロフ) - Twitterも拝見致しました!お話し繋がってるんですね!続きがとても楽しみです! (2020年4月8日 16時) (レス) id: 52da8c48f6 (このIDを非表示/違反報告)
パスタ好きのさらさん(プロフ) - 湊都さんのお話、面白くて全種類読ませてもらってます!最近の更新で、あれ、もしかしてこれ軍パロの時の繋ぎ…?という期待が膨らみつつあります笑 面白いです、更新応援してます! (2020年4月3日 16時) (レス) id: b898e8ff1d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:湊都 | 作成日時:2020年3月30日 18時