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さほど広くない無機質な収容室にポツリと、これまた無機質な本棚が置かれている。
最下段の血痕は拭かれたのか無くなっており、コーヒーのシミはハッキリと見て取れた。
｢やあF-04-39-Z、次に来る時はまた別の名前で呼んであげよう。
掃除をするだけだから、これでも読んで大人しくしていてくれよ｣
6段もあるかなり大きな本棚の、上から3段目に持ってきた本を無造作に置く。
本棚のサイズとしては1.8m程度、奥行は0.2mといったところか。
文豪の書斎の壁を埋めていそうな、重厚な本棚だ。
側面に彫られた意匠は蝶をモチーフにしているのか、幻想的とも言える見事なものだった。
収容室の掃除を簡単に済ませ、本棚と向き合う。
見れば見るほどこれがアブノーマリティとして収容された経緯が気になるような、何とも言えず平凡な本棚だ。
強いて言うなら本棚としての機能を一切果たしていない……あれ。
｢お前、私が持ってきた本どっかやっただろ｣
無機物である本棚が私に応えることはない。
要検証案件が出てきてしまった。
確かに本棚というからには本が収まっているのが普通だが、まさか本を吸収してしまうとは。
(職員A、作業を終了して観測を行って下さい)
｢管理人、中央本部のメインルームに1度帰還して本を数冊持ち込んでも？｣
(許可します)
収容室を出て扉を再び厳重に閉める。
危険度が低いとはいえあの本棚も人とは相容れない化け物であり、何かが起こった時どんな被害が出るか予想もつかない。
最下段に付着していたという血痕というのも引っかかる。
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志摩(プロフ) - H2Oさん» H2Oさん、閲覧ありがとうございます。アブノーマリティの設定はめちゃくちゃ悩んだので褒めて頂けて嬉しいです。更新頑張ります。 (2019年7月16日 8時) (
レス) id: 4b0ab5b92a (このIDを非表示/違反報告)
H2O(プロフ) - コメント失礼します。このパロディとても好きです。待っていました。各アブノーマリティの設定も凝っていて、読んでいて世界観に飲み込まれました。これからの更新楽しみにしております。 (2019年7月16日 7時) (レス) id: e433076a9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：志摩 | 作成日時：2019年7月11日 0時
