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｢顔上げ。お前は花なんやから目の前の額縁だけ見とったらええ｣
ふと足元ばかり見ようとしていた顔を上げる。
明るくなった視界には弱くて怯えてばかりの私とは正反対の、自信に溢れた笑みでこちらを見つめるコネシマさんがいた。
身が引き締まる思いというのはきっとこういうことを言うのだ。
彼とホールドを組んだなら、いつまでも意気地無しのままではいられない。
｢…………よし、ええ顔になったな｣
そう言ってコネシマさんはパッと私を離し、思わずよろめいて尻もちをついた。
慌てて手を着いた先には布が広がっていて、拾ってみれば何度か見かけたことのあるジャージの上着である。
これはコネシマさんのジャージでは？
｢何か……脅かしちゃったな、ほんま申し訳ないわ｣
バツの悪そうな顔をした男性がコネシマさんの脇から顔を出して手を差し出す。
コネシマさんのジャージを持って彼の手を取れば強い力で助け起こされ、まだ足元が頼りない私は勢い余って彼の胸に突っ込む羽目になった。
薄くではあるが化粧をしているため、彼のTシャツに移ったら申し訳ないな。
｢中入ろか。そのまんまでええから動かんといて｣
｢ﾋｪｯ｣
抱き寄せるように背中に腕を回されて思わず固まったところに、器用に膝裏を取って抱えあげられる。
よもやこの歳になって結婚以外でお姫様抱っこをされるとは思いもしなかった。
一見して細身だった見知らぬ男性は思ったよりがっしりしていて、しがみついてもビクともしない。
｢手着いとったけど怪我とかは？｣
｢な、無いです｣
｢良かった……ホンマにすまんかった、完全に身内ノリで突っかかっとったわ｣
｢いえ、その、ちょっと驚いただけです｣
そうだ、ちょっと驚いただけだ。
ここはあの最悪な職場じゃないし、あの上司は居ない。
ここにいるのは何よりもダンスに誠実で、それと同じくらい女性に敬意を払うダンサーだけ。
大丈夫、この人たちは私を見下してなんか居ない、大丈夫なのだ。
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極p(プロフ) - 主様…めっちゃ好きです()こんな様な話を書きたい…書かせていただいてもよろしいでしょか？ (7月9日 19時) (
レス) @page35 id: f11d12415f (このIDを非表示/違反報告)
ピット☆(プロフ) - 更新お待ちしてます…！ (2022年4月8日 19時) (レス) @page35 id: 9c7661f737 (このIDを非表示/違反報告)
トキ(プロフ) - すこ、、、え、rnさんめっちゃ初心じゃん。解釈違いだったのに引きずりこまれる、、、knさんの変貌好きです。髭面サンダルで普段コンビニ行くくせにスイッチ入れば王たる風格とか、イケメン代表のギャップじゃん、、、 (2021年10月29日 23時) (レス) id: 44c169a7de (このIDを非表示/違反報告)
トロピカルじゅーす(プロフ) - おお…めちゃ面白いです！まぁ、コミュ障の私にとっては一生できないと思いますけど…。でも、本格的な社交ダンスやってみたいなぁ… (2021年10月1日 17時) (レス) @page8 id: f1623e6737 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：志摩 | 作成日時：2021年9月30日 21時
