�セ�実は小説より ページ13
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｢書記長｣
｢ﾝｸﾞｯ｣
危うく昼食のクロワッサンが死因になるところだった。
事故を起こしたあの日から、俺は仕事にのめり込むことで彼女を徹底的に避けた。あの日の事を思うだけで死にそうになりながら散歩に出かける心臓をなだめすかすために必要な期間だったのだ。そうして何日か経ち、ようやく心臓が体内に留まってくれるようになったこ頃にそれはやってきた。ドア越しに響くのは間違いなく彼女の声だ。
｢……書記長、いらっしゃいますよね｣
いないいないいない、さっきクロワッサンが喉に詰まりかけた時変な声出たかもしれないけど気の所為だと思ってくれ。強いて言うなら彼女の声に反応して心臓が騒いでいるだけ！顔が見たいなー喋りたいなーと騒いでいるが、本体が拒否しているのでダメです。
｢トントンさん、あの、話が｣
あっっっっぶない立ち上がってドアに飛びつこうとしてしまった。ここまで来たらもうどの道無視し続けるしかないのだ、座して立ち去るのを待つだけ。例え名前を呼ばれていても、今日はまだ。
｢……そう、ですか。……ごめんなさい｣
明らかに沈んだ声で謝るAさんに、罪悪感で決意が揺らいだ。我慢出来なかった心臓はドアの前でぴょんぴょん跳ねている。いい加減戻っておいで。
｢ご迷惑をお掛けします｣
｢…………………………"します"？｣
言葉の端に疑問を感じた瞬間、鍵のみで封じられていたドアが吹き飛んだ。なお心臓は潰れた。転がったドアの哀れな犠牲者は幸いにも心臓と蝶番だけで済んだようだが、それにしたってこんな、酷い。
｢お邪魔します、トントンさん｣
｢ﾋｮｴ…………………｣
色ボケでもしたのかすっかり忘れていたが、Aという総統補佐の女はゴリラだった。犠牲になった数多のドアノブに、軍専門の修理工が特需とまで言われるようになった。そんなゴリラ女なのだ。
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餅宮(プロフ) - あびゃ()、この話の書き方も展開も好きです、可愛くてしんどくて心臓が固まって息切れを起こしました。好きです(迫真)ありがとうございました。次回作楽しみにしてます！ (2020年6月2日 14時) (
レス) id: 183ec0d7a1 (このIDを非表示/違反報告)
折り紙(プロフ) - コメ失礼します。もうなにもいえません。貴方の作品が大好きです (2020年6月2日 1時) (レス) id: 9f4a4ff714 (このIDを非表示/違反報告)
ミコミコ(プロフ) - つ…ついに終わってしまった…面白かったです！とくに書記長さんの心臓がw次回作、もしくは続編楽しみにしてます()お疲れ様でした！ (2020年6月1日 22時) (レス) id: 9e8740a182 (このIDを非表示/違反報告)
アケメネス(プロフ) - 勢いと勢いを崩さない文章が素敵でしたすき！！！！！次回作楽しみに待ってます。できればもうちょっとだけちゅぢゅきがみたいでちゅ (2020年6月1日 21時) (レス) id: ef9d22381a (このIDを非表示/違反報告)
闇ちょこ(プロフ) - おおお終わってしまった…個人的に書記長の恋に世話？を焼く総統が好きでした((もう10周見てきます (2020年6月1日 20時) (レス) id: f89a326571 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：志摩 | 作成日時：2020年5月26日 18時
