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「 先に審神者部屋、行っといて 」
私が清光にそういえば 彼は少し驚いた顔をする。
「 護衛 なくても大丈夫なの? 」
「 大丈夫 」
殺される時はその時、と付け加える。
無理に笑顔を作ってみせるも、彼には通用しない。
「 まあ、主の考えがあるんだろうと思うけど。
何かあったらすぐ呼ぶんだよ 」
そう言いながら、彼は廊下を歩き始める。
清光はいつもそうだ。
私の考えを尊重してくれる。それが間違っていようが、正しかろうが 。
「 ありがとう 」
私がそう言えば、彼は ヒラヒラと手を振って歩き続ける。
私は縁側に腰を掛けながら 彼の背中を見送る。
そして、彼の背中が見えなくなった。
清光が去り、1人きりになった縁側で庭を見つめる。
ああ、これからこの庭をどうやって掃除しようか…
「 にしても…… この庭、ちょっと雑草伸びすぎなのでは……
ねぇ、今剣さんもそう思うでしょう? 」
私がそう言えば 彼は驚いた顔をする。
手入れ部屋を出た時からずっと付けられていた。
彼は多分、私が気付いていないと思ったんだろう。
それでも、カミサマの気配というものは 簡単に消せるものでは無い。
無論、彼らはそれに気付いていない。
「 あの… ていれ、ありがとうございます
それに、じゅうしょうしゃの ていれまで…
ほんとうに、ありがとうございます 」
「 今剣さん、ちゃんと顔を見て話せるようになるまでは 感謝は要らないです 」
傍から聞けば少し冷たい言い方かもしれないが、
これは私なりの優しさ。
「 無理して、話しかける必要はありませんよ 」
私がそう言えば、彼は少しずつ私に近付いてくる。
……信用、されているのだろうか。
「 あの、…
ぼくのかみ、ゆってください
あるじさま 」
そう言う彼の瞳はどこか寂しそうで どこか儚かった。
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鶴(プロフ) - 椿さん» ご意見、ありがとうございます(´;ω;`) (2019年5月8日 22時) (レス) id: f7d2eb1740 (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - 今まで通りがいいです! (2019年5月8日 22時) (レス) id: e36d1c7298 (このIDを非表示/違反報告)
くれは卍(プロフ) - 【改】が更新されるのを待ってます!頑張ってください! (2019年4月5日 22時) (レス) id: 325596c204 (このIDを非表示/違反報告)
キリンロング - 【改】が更新されるのが楽しみ過ぎて夜しか眠れません(真顔)。 (2019年3月30日 22時) (レス) id: 390c1ef0c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆらん | 作成日時:2019年3月26日 10時