6話 夕餉 ページ16
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粟田口部屋を浄化し、食堂へ向かうと 既に皆は席に着いていた。
「 もおー、主遅いよ 」
と、痺れを切らせた清光が 頬を膨らませて私に言う。
「 掃除してた 」
私がそう言えば、彼は 無理はだめだよ とだけ答えた。
本当に、審神者想いの良い子に育ったものだ。
「 ねえ、主さん。
こんなに沢山作ったのに、食べるのってボク達だけ? 」
テーブルに並べられた沢山のオムライス達を見つめながら 乱藤四郎が私に問うた。
…一応、全振り分作ったのだ。
勿論、嫌がられるのは分かっていたが …
『 皆呼びに行ったけど、要らないって 門前払いされちゃった 』
ありえなーい、と頬を膨らませて不満げに言う。
…どこか、清光に似てる。
「 主〜、いつものお願いしたいな〜 」
と、清光が 自身のオムライスとケチャップを持って私にそう言う。
そう、私達はいつも オムライスの時ケチャップで名前を書き合うのだ。
『 はいはい。……きよみつ、と 』
「 やった、主だいすき! 」
これは、彼が顕現した時からしている事。
二人だけの恒例行事(?) なんて少しだけ 特別でしょ?
「 主さん!ボクも! 」
「 主君、良ければ… !」
「 お、俺も……!大将が嫌なら我慢するけど… 」
『 ふふ、順番 ですよ 』
でも、名前書いてあげるのも、
もう二人だけの特別じゃ無くなっちゃうね。
清光には少しだけ申し訳ない。
でも、私は この本丸の審神者だから。
期間限定でもなんでも、私はこの本丸の審神者。
望む事は、する。
楽しい事は、皆で共有する。
これが、
皆が幸せになれる 第一歩。
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鶴(プロフ) - 椿さん» ご意見、ありがとうございます(´;ω;`) (2019年5月8日 22時) (レス) id: f7d2eb1740 (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - 今まで通りがいいです! (2019年5月8日 22時) (レス) id: e36d1c7298 (このIDを非表示/違反報告)
くれは卍(プロフ) - 【改】が更新されるのを待ってます!頑張ってください! (2019年4月5日 22時) (レス) id: 325596c204 (このIDを非表示/違反報告)
キリンロング - 【改】が更新されるのが楽しみ過ぎて夜しか眠れません(真顔)。 (2019年3月30日 22時) (レス) id: 390c1ef0c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆらん | 作成日時:2019年3月26日 10時