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「 どうやって止めたんだよ 」
彼はそう言った。強がっている様に見えても、その頬には一筋の涙が流れている。
「 私の憶を伝えただけです 」
私がそう言えば、骨喰藤四郎が私の憶を繰り返す。
怖い、殺さないで、私は悪くない、と。
誰でも刀を向けられば怖い。 殺されたくない。
君たちがそうなったのは私せいではない。
「 骨喰藤四郎が素直な子でよかったですよ
でなければ、私は今頃息絶えていたと思います 」
私が言い終わる前に 聞こえてくる、誰かの啜り泣く声。
それは、骨喰藤四郎のものでも無ければ、薬研藤四郎でもない。
「 主様も、… 辛い、ですよね … 」
彼___、五虎退は泣きながら言葉を紡ぐ。
「 主様も、僕達みたいに… 傷付いてて、… …それでも僕達、…主様が手入れしてくれても、…ありがとうも言えません、でした… すみませんっ… 」
泣いている五虎退を心配してくるのか、虎達が私に威嚇を始める。
そんな虎を無視して、私は五虎退に近寄る。
そして、彼の頭を撫でる。
「 貴方達は何も悪くない。」
彼は少し驚いた顔をして、私に微笑んだ。
「 薬研さんも。 私を信用出来ないなら、信用しなくてもいいんです。唯、____怪我をしたら、大人しく手入れされて下さいね? 」
先程まで、泣いていた彼だが、今は頬を赤らめている。
無理しないで、と 彼の頭を撫でる。
____と、突然背後から衝撃を感じた。
その、衝撃に耐えられず、私は 倒れ込む。
「 薬研だけずるーい!俺も大将の懐、入りたい!!」
その声を先頭に、私は粟田口の短刀に埋れるのであった。
__ああ、幸せ。
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鶴(プロフ) - 椿さん» ご意見、ありがとうございます(´;ω;`) (2019年5月8日 22時) (レス) id: f7d2eb1740 (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - 今まで通りがいいです! (2019年5月8日 22時) (レス) id: e36d1c7298 (このIDを非表示/違反報告)
くれは卍(プロフ) - 【改】が更新されるのを待ってます!頑張ってください! (2019年4月5日 22時) (レス) id: 325596c204 (このIDを非表示/違反報告)
キリンロング - 【改】が更新されるのが楽しみ過ぎて夜しか眠れません(真顔)。 (2019年3月30日 22時) (レス) id: 390c1ef0c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆらん | 作成日時:2019年3月26日 10時