1話 本丸 ページ1
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「 嗚呼、なんて可哀想な神様たち 」
まだ 新調したての綺麗な袴を身に纏い、一人呟く。
彼女の目の前に広がるのは、彼女の袴とはまるで正反対な建物。
門はあちらこちらが錆び剥がれ落ちている。
空を見上げれば、広がるのは青空ではなくどんよりと重い曇天。
そんな空を見上げながら、お仕事ですよ と、彼女は隣に居る男に声をかける。
「 分かったけど、これ かなり進んでるね。大丈夫?____主 」
その男は彼女のことを 主 と呼ぶ。
「 大丈夫じゃなくても行くしかないでしょ?
____清光 」
彼女は 男の事を 清光 と呼ぶ。
清光、と呼ばれる男は刀についた 付喪神。
無論、彼は人間ではない。
では、何故 人の容姿をしているのか___
その答えは彼女自身にあった。
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時は 西暦2125年。
度重なる 歴史修正主義者 の歴史への介入に、危機を感じた政府は 刀剣男士制度を導入した。
政府は、全国各地から 霊力を持っている者を集めた。
ある、一定以上の霊力を持つものは 付喪神を 形あるものに顕現させることが出来る。
そのような者をこの時代では 審神者 と呼ぶ。
そんな、刀剣男士制度も落ち着きを見せた今、様々な問題が発生した。
'' ブラック本丸 ''
そう呼ばれる本丸が増えた。
強制的な夜伽や、暴言暴力、無理な出陣、更には 刀剣破壊。
彼女は そんなブラック本丸へ赴き、
付喪神達が、また幸せになれるように。
次の審神者が見つかる迄、刀剣たちの 審神者 として 刀剣男士のケアする。
「 早く、幸せになってくださいね。
____ね、カミサマ 」
一人静かに呟き、本丸の門をくぐるのだ。
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鶴(プロフ) - 椿さん» ご意見、ありがとうございます(´;ω;`) (2019年5月8日 22時) (レス) id: f7d2eb1740 (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - 今まで通りがいいです! (2019年5月8日 22時) (レス) id: e36d1c7298 (このIDを非表示/違反報告)
くれは卍(プロフ) - 【改】が更新されるのを待ってます!頑張ってください! (2019年4月5日 22時) (レス) id: 325596c204 (このIDを非表示/違反報告)
キリンロング - 【改】が更新されるのが楽しみ過ぎて夜しか眠れません(真顔)。 (2019年3月30日 22時) (レス) id: 390c1ef0c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆらん | 作成日時:2019年3月26日 10時