9 布団 ページ9
shuさんに返信しているとピンポーンとインターホンがなり響く、インターホン越しに返事をすると
「俺だけど…」
さっきまで家に居た蘭が外に立っているようだった。
いまさっきでもう一回私の家にもどってくるなんて忘れ物でもしたのかと思いあたりを見回すけどそのようなものは見当たらなく、急いでドアを開けると
そこには布団にまみれた蘭が立っていた。
「……え？」
「ちょっと、どいて…」
「えっえっ！？」
言われるがまま退くと、蘭が再び私の家に入ってきて、持っていた布団をぼすっと音を立てて、床に置く。
「ん」
「？、なにこれ、蘭のお布団…？」
「ちがう、Aの、今日は布団ないでしょ」
今日初めて会った蘭の不愛想さと今の優しさの差に感動してしまった。家に布団がないことを察しては、自分が使ってない布団を持ってきてくれたのだ。蘭の家ではよく人が泊まるから、余ってるものがあるらしい。
「なにからなにまで…ありがとう…」
蘭は床に布団を広げて丁寧に寝れる状態へと、手際よく準備をしてくれた。
「蘭ってすごい優しんだね」
ここに引っ越してから蘭と濃度の濃い時間を過ごして、蘭の優しさが身にしみて、続けて蘭のことを褒めていると、下の名前を呼んだ時のように顔を赤くして、目を逸らされた。布団の設置が済むと用済みなのかスタスタとまた自分の家に戻っていく蘭に対してついていけず「ありがとう！」と声だけでもお礼をすると、後ろ姿を向けたまま手を振って家から出て行った。
「蘭には少し申し訳ないけど、ベッドもなにもないのに寝るのは辛かったから嬉しい〜」
ふかふかの布団に顔を埋めては、洗濯をしてお日様にあてたようないい香りがする。顔をあげて寝る準備をしようとしていると、顔が痒く感じて、髪の毛がついたので払うと、自分の髪の毛ではなかったので蘭のかな？と疑問に思ったが、よくよく見るとその毛は茶色く細くて猫の毛に見えた。
「猫…？蘭、飼ってるのかな？」
shuさんもラインからして猫が大好きなのが伝わったし、私もかなりの愛猫家なので蘭が猫を飼っていたら触らせてもらおうかな、なんて思った。たいした時間を過ごしてはいないし、恥ずかしい所を見せてしまったのは確かだが、蘭がいい人だということはわかった日だった。
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lllsaitoulll(プロフ) - かびさん» ありがとうございます！ペース遅めですがよけえば楽しんでいってください！ (2020年6月9日 1時) (
レス) id: 9c4d7f9ca9 (このIDを非表示/違反報告)
かび - 楽しませて貰ってます！更新待ってまーす！ (2020年6月8日 12時) (レス) id: a6577ee058 (このIDを非表示/違反報告)
lllsaitoulll(プロフ) - キアンさん» コメントありがとうございます(^O^)がんばります！ (2020年6月6日 1時) (レス) id: 9c4d7f9ca9 (このIDを非表示/違反報告)
キアン(プロフ) - おわ〜展開が気になります！更新頑張ってください！ヾ(≧∀≦*)ﾉ〃 (2020年6月5日 7時) (レス) id: dc2584af8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：斉藤 | 作成日時：2020年6月2日 1時
