8 呼び方 ページ8
「なんかすみませんでした…。」
荷物を運ぶだけの予定だった藤山さんは私の話を聴き続けて、気づくと日が暮れていた、私の気持ちが落ち着いて、大丈夫ですと伝えると家に戻ると言って私の家から出て行こうとしているところにお礼をする。昨日から良い人に恵まれてばかりだと、しみじみ思っていた。
「…よかったらいつでも頼ってください、頼りないと思うんすけど…、あと他の部屋の人たちも悪い人じゃないんで」
「他の人たち？」
そういえば近隣同士仲がいいんだっけ、藤山さんもその一人なんだ。
「俺の知り合いが住んでるんで、なにかと助けてくれるかもしれないっす…わかんないけど…」
「そうなんですね、藤山さん、なにからなにまでありがとうございました」
ぺこりとお礼をして家は隣だけれど、玄関先で挨拶をする。
「…蘭で、」
「え？」
「蘭、名前です、蘭でいいです…きっとそんなに年遠くないし、敬語じゃなくても…」
藤山さんは顔を少し赤くしてそう言った。下の名前で呼んでいいってことかな？
「！、ら、らん！わ、わかった！ありがとうっ！」
嬉しい。
新しい環境で不安なことばかりだったのに、なんだか友達が突然できたのがすごく嬉しかった。
自然と喜びで声を張ってしまい、それにびっくりしたのか蘭は肩をビクっと揺らしては、また顔を赤くしてた気がする。
「じゃ、じゃあ！帰るんで！！何かあったら！！！」
「わ、わかった！本当にありがとう！！」
私につられたのか声が大きくなる蘭を見送ったけど、私の家の部屋のドアが閉まると、隣の部屋のドアが開閉した音が聞こえて、部屋にはまだ何もないし、すごく広く感じるけどなんだか一人じゃないような気がして、すごく安心感があって、藤山さんに、いや蘭に話を聞いてもらえて、泣けたお陰で、すごい気持ちが軽くなったように感じた。心の中でまたお礼をした。
一息ついて携帯を確認すると、不在着信の通知が大量に入っていることに気付いた、私が予想するにきっと元彼からだろう、電話も着信拒否をしているので繋がらないが、昨日の今日であんなことがあったとしても何も干渉せずぱきっと関係性を切るような人ではなかったと思う。けど、戻るつもりはない。溜まっていた通知を全て削除していると、shuさんからのラインに気付く。
shuじゃあ今週末にご飯どうですか?
shu好きな食べ物はありますか?
その後に続く猫のスタンプ
元彼のことなんて忘れてshuさんに返信した。
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lllsaitoulll(プロフ) - かびさん» ありがとうございます！ペース遅めですがよけえば楽しんでいってください！ (2020年6月9日 1時) (
レス) id: 9c4d7f9ca9 (このIDを非表示/違反報告)
かび - 楽しませて貰ってます！更新待ってまーす！ (2020年6月8日 12時) (レス) id: a6577ee058 (このIDを非表示/違反報告)
lllsaitoulll(プロフ) - キアンさん» コメントありがとうございます(^O^)がんばります！ (2020年6月6日 1時) (レス) id: 9c4d7f9ca9 (このIDを非表示/違反報告)
キアン(プロフ) - おわ〜展開が気になります！更新頑張ってください！ヾ(≧∀≦*)ﾉ〃 (2020年6月5日 7時) (レス) id: dc2584af8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：斉藤 | 作成日時：2020年6月2日 1時
