26 洗濯物 ページ26
「あれ！Aちゃんやん！」
「！、すぎるさんだ！」
洗濯物を干そうとベランダに出ると蘭の部屋のベランダからすぎるさんが顔を出して私の名前を呼んだ。すぎるさんと蘭はよく一緒にいる、今日も二人でゲームをしていたようだった。
「ベランダ開く音して、Aちゃんかな〜って思って俺も出てきたらほんまにAちゃんおったわ〜！」
「そういうのきもいわ〜」
「あ、蘭もいた。」
すぎるさんが小学生が好きな母親を追うような理由で私に会いに来たことを話してくるので嬉しくなっていると、すぎるさんの奥に蘭もひょこっと出てきては私に顔を見せた。二人がいつも楽しそうに戯れ合ってるもんだから「私もゲームしてみたいな〜」なんて独り言のように零すと、「今度一緒にやろーや！」と、お誘いをしてくれたのでまた一つ楽しみが増えた。話ながら洗濯物を干していると、すぎるさんはゲームに戻ったのか部屋の中に入っていく。
「その服いーね」
「え？これ？」
「うん」
「えっ！！わ、わかる？これうちのお店のやつなんだけど、肌触りがすっごいよくて、人気なんだ〜、ここステッチが映えて、かわいくない？」
「かわいいじゃん、てかA、服屋で働いてんの？」
「雑貨とか服を売ってるとこで働いてるよー、蘭にも似合う服いっぱいあるから来てよ！」
「んー行こうかなー、てかさー俺Aの服選びたい。」
「え？私の服？」
「うん」
蘭に干していた洗濯物を褒められた勢いで自社製品の魅力をアピールしていると、蘭がそう言い出した。蘭とはまだ家の近くでしか会うことがないし、いつも部屋着っぽい緩めな服を着ているが実は服にかなり興味があるらしい。女の子の服も見てみたいと後付けて付け足しては、今度一緒に服を見にいくことになった。ゲームをする約束も服を見にいく約束も元彼といたことにはあまり楽しい思い出がなかったから、こういうわかりやすい友達みたいな行為に毎度テンションが上がる。どんどんみんなと楽しい思い出ができていきそうで、ただのご近所付き合いじゃなくって、みんなと仲良しになれたら、それ以上に幸せなことないな、と思うと頬が緩んだ。
「なにわろてんの」
そういった蘭の顔はほんのちょっと笑みを浮かべていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 160人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
lllsaitoulll(プロフ) - かびさん» ありがとうございます！ペース遅めですがよけえば楽しんでいってください！ (2020年6月9日 1時) (
レス) id: 9c4d7f9ca9 (このIDを非表示/違反報告)
かび - 楽しませて貰ってます！更新待ってまーす！ (2020年6月8日 12時) (レス) id: a6577ee058 (このIDを非表示/違反報告)
lllsaitoulll(プロフ) - キアンさん» コメントありがとうございます(^O^)がんばります！ (2020年6月6日 1時) (レス) id: 9c4d7f9ca9 (このIDを非表示/違反報告)
キアン(プロフ) - おわ〜展開が気になります！更新頑張ってください！ヾ(≧∀≦*)ﾉ〃 (2020年6月5日 7時) (レス) id: dc2584af8a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：斉藤 | 作成日時：2020年6月2日 1時
