12 見覚え ページ12
夜ご飯を作る予定しかなかった私は、ありがたく鉢屋さんのお部屋にお邪魔した。ものすごく清潔感がある室内で植物が少しだけ並んでいてものが少なく、少し殺風景だと思ったが部屋の隅に置かれていたパソコン周りには色々な機材やゲームが置いてあり、鉢屋さんのような真面目な人でもゲームをすることが少しだけ意外だった。鉢屋さんは「大したものじゃないですけど」と言って冷たいお茶と飴やチョコのお菓子を小皿に入れてテーブルに置いてくれた。お礼を言って口に運んでいると、かなり前ににゃろめちゃんが脱走して数日帰ってこなかったことがあり、にゃろめちゃんを室外に出すことが少し怖いと話をしてくれた。
「お前は危なっかしいんだから…。」
そんな話をしながらも座っている私の足に未だにべったりくっついているにゃろめちゃんを見ながら心配する鉢屋さんはすごく優しく笑っていて、にゃろめちゃんがこれほどに恋しいのかと思うと、私まで嬉しくなって笑ってしまった。長居するのも悪く思ってしまい、立ち上がろうとすると服ににゃろめちゃんの抜けた毛が少し付いてしまう。
「あ、すみませんにゃろめの毛が、コロコロ使いますか？」
「ありがとうございます。」
鉢屋さんからコロコロを受け取って自分の服をから毛を取っていると、ふと蘭から借りた布団に着いていた細く茶色い猫みたいな毛のことを思い出す。
もしかして…この毛って。
「あの、同じマンションの藤山さんってご存知ですか？」
「え！蘭たんと知り合いなんですか？」
やっぱり。蘭たんというのは蘭のあだ名だろうか？やけに可愛い
「えーっと…知り合いといっても昨日会ったばかりなんですけど、蘭がここの建物に住んでる人は知ってる風に話をしていたので…」
「あーまあ知り合いってかなんというか…、って蘭が？」
「え？」
「蘭たんのことを蘭って呼んでるんですか？」
「ら、蘭がそう呼んでと言いました…。」
なんだか物凄く驚いたような顔をして話をする鉢屋さんは一人で「そうか、そうなのか…」と呟いている。
「なにか変なことでもありましたか？」
「いや、蘭たんも俺もあんまり女性が得意じゃないから、名前で呼ばれてるのに少し驚きました…」
「そうなんだ…」
でも確かにすぐ会話を終わらせたり顔を赤くしてしまったり、していたかも。
「でも、なんか佐倉さんなら大丈夫かも、わかる。」
そう言って一人で鉢屋さんは納得していた。にゃろめちゃんは気持ちよさそうに眠っていた。
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lllsaitoulll(プロフ) - かびさん» ありがとうございます！ペース遅めですがよけえば楽しんでいってください！ (2020年6月9日 1時) (
レス) id: 9c4d7f9ca9 (このIDを非表示/違反報告)
かび - 楽しませて貰ってます！更新待ってまーす！ (2020年6月8日 12時) (レス) id: a6577ee058 (このIDを非表示/違反報告)
lllsaitoulll(プロフ) - キアンさん» コメントありがとうございます(^O^)がんばります！ (2020年6月6日 1時) (レス) id: 9c4d7f9ca9 (このIDを非表示/違反報告)
キアン(プロフ) - おわ〜展開が気になります！更新頑張ってください！ヾ(≧∀≦*)ﾉ〃 (2020年6月5日 7時) (レス) id: dc2584af8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：斉藤 | 作成日時：2020年6月2日 1時
