０８。 ページ8
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「やっぱり俺も手伝う。なんか眠気覚めたし」
そう言って、卵を割ってくれるキヨくん。彼が料理をしているということ自体新鮮で、小さく笑っていたら怒られてしまった。
「俺だってこれくらい出来る！…っあ、殻！」
時間をかけてなんとか完成した。結局、見守り係をしてくれたが、最後にお皿を出してスクランブルエッグを盛り付けてくれた。彼の中では上出来なようで、楽しそう。
私は普段から朝ごはんを食べないので、コーヒーだけ頂いた。
「うんま！…ひさびさに人の手料理食べたわ」
「手料理なんて言えるものじゃないですけど、良かったです」
キヨくんは普段から出前が多いみたいだから、それに比べたら大層なものじゃなくて少し申し訳ない。
「そういえばこの前のマリパの編集、結構好評だったよ。」
「ほんとですか！あの編集、自分でも気に入ってたんです。ちょっとテイスト変えてみたから、視聴者さんに受けるか不安だったんですけど…」
つい話し込んでしまい、携帯が鳴り続いていることに気づくのが遅くなってしまった。
「あ、レトくんだ。もう出かけるみたいなので、今日は帰りますね」
「おー。ご飯ありがとうね。また作りに来てよ」
「別料金かかりますけど、それでよければ」
ふふ、と笑うとキヨくんは高そうだけど頼もうかな、なんて真面目な顔して言っている。
「これ、財布ね。もう忘れないように言っておいて」
「はい。伝えておきます！お邪魔しました」
キヨくんに玄関先まで見送ってもらい、そのままレトくんの家に向かった。
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作者名：ぴより | 作成日時：2019年10月20日 7時
