卌漆 ページ6
私は天狐が彼に日本語を教えている間、彼の取り込んだであろう呪物について調べた。
猫魈がロシアの呪術機関から盗んだ資料を流し読みしながら、掌の上で眼球を転がす。
呪物【■■■の目】
突然変異した人間■■■の眼球が死後呪物となった。一番最近の目撃情報では、シホテアリニ山脈という東の山脈で発見されている。
呪物となった術師は、目で見た生物を塵芥に変えるという術式を有しており、本人の意思関係無く発動される。
いつ頃から■■■が存在したかは判明していない。数百年生きていたとも言われてるし、普通の呪術師だったとも言われている。まぁ、その辺りはどうでも良い。
問題は、上層部にどうやって報告するかだ。いくら人間らしいとはいえ、この青年は1つの集落の人間を塵にしてしまった。
彼の魂は実に奇妙だ。人間と呪霊が融合したような魂。1つの器に2つの魂が存在しているのではなく、魂そのものが受肉したような……。
魂の本質は呪霊、肉体は人間と言った所だろうか。類を見ない例だ。
これを報告すれば、上層部は真っ先に彼を処刑するだろう。そして彼を匿えば、私も呪詛師として処刑対象になる未来が手に取るように見える。
正直、呪術界での立場は便利だから無くしたくはない。
上手くあの蛆虫共の角が立たないよう報告しなければ……あぁ、面倒臭い。
「めがみさま!」
『うん?』
足を崩して思考の海に沈んでいれば、隣から聞こえた声で現実に引き戻される。
そちらを見れば、黒い面布を付けた青年が礼儀正しく星座をして私の方を見つめていた。
めが、、めがみさま…?女神…?うん…うん……?
この青年は拙い日本語で今女神様と言ったな。私に言ったのか?え?女神に見える?目大丈夫?あ、大丈夫じゃなかったわハハハハ。
背負った宇宙を頭を振って散らす。おい天狐、笑うな。
『私の名前は女神じゃない。Aだ。ほら、言ってごらん』
「?めがみ、さま、ちがう?てんこ、きいた。なまえ、めがみ」
『えぇと…天狐が私を女神様だと言ったのか?』
「うん!」
『…お前よくも変な言葉を覚えさせたな』
「エッ、ちょ、主?!なんで呪具を__は、祓わ、待て、あるじアッー!」
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うさちゃん(プロフ) - ん"ん"ん"ん"ん"ん"ん"好きです!だいすこ。続き楽しみに待ってます (3月27日 11時) (レス) @page42 id: bdc57886de (このIDを非表示/違反報告)
ファナやん - おもしろいです!可能なら原作軸や懐玉編もみたいです! (9月10日 15時) (レス) id: 3812986166 (このIDを非表示/違反報告)
りんか(プロフ) - 面白すぎて何回も見返してます!更新再開してほしいです…頑張ってください!! (8月7日 14時) (レス) @page42 id: d3fb5e7475 (このIDを非表示/違反報告)
もこ(プロフ) - コメント失礼します!私愛され大好物なので嬉しいです!呪術廻戦のキャラ全員推しなので嬉しいです!更新頑張ってください! (6月24日 10時) (レス) id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
有栖 - めっちゃ面白いです。更新頑張ってください。(*≧∀≦*) (2023年2月5日 15時) (レス) id: e77b6774d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蝋燭 | 作成日時:2021年10月1日 23時