9話 ページ10
「親に、ですか・・・・」
神宮寺寂雷さんはキョトンとした顔で目線の下に居るいち兄を見ている。
「人探しって言っても情報が無いと元も子も無いんで、親御さんに会った方がよく分かるかなって思ったんですけど、駄目っすかね?」
確かに、人探しをするにはかなりの量の情報が居る。最低限、容姿や身長など見た目の情報は必要だろう。
「分かりました。では、親に連絡してみます」
電話をして貰い、暫くすると身振りでOKだという合図があった。
親かあ・・・・・
「親って、どんな感じなんだろう」
「・・・・」
その問いかけには、誰も答えなかった。
私には親に関する記憶が無い。三郎はあるらしいけど・・・なんで私には無いんだろう。
そもそも、私には小さい頃の記憶すらないのだ。
心の何処かが失くなったみたいだ。
「今から、新宿の私の病院の方に来てほしい、と言われたのですが大丈夫ですか?」
電話を切った神宮寺寂雷さんが言う。
「大丈夫っす」
新宿はあまり行ったことがないから分からないけど、聞いた話の中では夜の治安が良くない・・・だとか。
――――――――――――――――――――
神宮寺寂雷さんが働いているという病院は思ったよりも大きかった。
総合病院、といった所かな?
「こんにちは、安中さん」
神宮寺寂雷さんが挨拶をすると、痩せ形の男性がこちらに向かって軽く会釈をしてきた。
「わざわざこちらに来てくださりありがとうございます。安中圭と言う者です。萬屋ヤマダ・・・さん、ですよね」
「はい。萬屋ヤマダの山田一郎と申します」
この男性は少し頬が痩せこけてる。
子供が居なくなったことに、余程ショックを受けたのだろうか。
「人探し、でしたね。具体的に教えて頂くことは出来ますか?」
「はい・・・。まず、探している子供の名前は安中宙(ひろ)と言います。二日前から居なくなってしまい・・・・」
そのまま、圭さんは容姿や特徴をツラツラと話していった。
「すまないね、安中さん。これは私にも原因がある」
「あ、いえ・・・・全然、神宮寺先生のせいではなくこちらの目を離したのがいけなかったので、・・・・」
途中でこんな会話も聞こえてきた。
何がどうなってこの状況に陥っているのだろうか。
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アミ - この作品、すごく面白かったです!!更新頑張ってください! (2021年4月8日 10時) (レス) id: ba379c9f27 (このIDを非表示/違反報告)
十鞠 - 続きが楽しみです!!三郎君尊過ぎませんか、、?ちょっと、三郎君刺した奴狩ってきます。 (2019年8月8日 1時) (レス) id: fb05fdae18 (このIDを非表示/違反報告)
カヨ林檎(プロフ) - 水無月碧音さん» ご指摘ありがとうございます!恥ずかしい間違いをしてしまいました(-_-;)只今修正致しました。今後ともよろしくお願いします(*^^*) (2019年5月25日 20時) (レス) id: d998e82556 (このIDを非表示/違反報告)
水無月碧音(プロフ) - 設定の欄、二郎くんは17歳ですよ!^^;応援してます! (2019年5月25日 16時) (レス) id: 9308ec7c9c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柚々 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kayo3925/
作成日時:2019年5月23日 23時