転校生は婚約者でした 【桃】

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ん？これは……










ふと、一着の浴衣に目が留まった私はそっとそれを手に取った。










＿＿＿薄い桃色と白の桜柄の浴衣。










シンプルだし、儚げできれい。





そして、桃澤くんを連想させる。










るい「Aこれとかどう……って、それいいじゃん。」










るいは私の手元を見て微笑む。





一方るいの手元はというと……











『その浴衣かわいい！なんかるいっぽい！』









青と黒、白を主とした、文様が入った浴衣。





アクセントとして黒猫が裾の方に小さく描かれている。











そんなるいに合いそうな浴衣を私に勧めようとしてたなんて……





どれだけ適当なの？










るい「そうかな。じゃこれにしよ」










るいの適当さにまた小さくため息をつく。










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買い物が終わり、外に出るとさっき買ったばかりの浴衣が入った紙袋を見つめる。





と、隣を歩くるいが私を見た。










るい「なんか機嫌いいねA。桃澤くんのこと考えてんの？」










『な!?ちっ、違う!!!





ただ可愛い浴衣買えてよかったなって……』










機嫌いいのバレてたんだ……さすがるい。










るい「ふーん。





あ、桃澤くんいる」










『え!?』










どこに……












るい「ウソだけど」










え!?ひどい！










いたずらっぽく笑って逃げるるいを追いかける。










『え……！もう！るいー!!!』










いつも大人っぽいるいだけど、こういうのを見るとやっぱり高校生なんだと実感する。











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