転校生は婚約者でした 【桃】

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好きです。





少女漫画でよくある、ありきたりなセリフ。

だけどカレ(・・)から放たれる言葉はこの世界で一つしかない告白になっていた。

相手は誰かよくわからない。

顔のあたりに靄が掛かっているようだった。





ずっと前から……





初めて会ったときからAが……










ﾃﾝｯ ﾃﾃ ﾃﾝﾃﾃﾃﾝﾃ ﾃﾃﾃｯﾃﾃｯ ……










相手が何かを言いかけたとき着信音が鳴った。










おおっ……機種バレてまう。←





てか、こんな朝っぱらから誰だ？










スマホを覗くと【まいはにー】の文字。





すぐに理解し応答へスライドさせる。










『朝からどうしたんだい？るいちゃん。





もしかして私の声が聞きたかったのかな☆』










るい「登校時間まで8分だけど大丈夫？」










私の言葉を華麗にスルーしてそういった。










『へ？』










るいの言葉にホーム画面を覗く。





そこには【8：22】の大きな文字。





そしてたった今23に変わった。











あ、終わった……。










るい「急いで。





今日五十嵐立ってたよ。」










歯磨きをしながら制服に着替え、かばんを手に取る。





支度を済ますと家を飛び出した。





今日は朝ごはんを食べながら登校する余裕もない。





走りながらスマホのホーム画面を開くと登校時間まであと4分。










『間に合えぇぇぇーーーっ!!!』










どこかの主人公のようなセリフを叫びながら家を出た。










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