【テニプリ】聞く耳もたらすーその6【男主】

別れこそ会うの始めーその13 ページ47

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比嘉中の皆が乗ったバスが見えなくなるまで手を振った。
気がつくともう次のバスが来ている。


(あ、次は…距離的に四天宝寺の皆か)




ちらりとそちらを見やると皆でわいわいとバスに乗り込んでいる所だった。

が、一際目立つ赤髪の方に目をひかれると、そのままばっちり荷物を背負った金ちゃんと目が合ってしまう。

金ちゃんは、あー！！とこちらまで響くような声で叫んだと思うと荷物を放り出して駆け寄ってきた。




「Aー！！！」




「金ちゃん止まって！その速さで飛び込まれるのは怖すぎる！！」



叫んだからと言って金ちゃんが泊まれるはずもなく、べちっとヒョウ柄が目の前に張り付く。
抱きつかれてよろめきつつ金ちゃんを下ろすと、がしっと頭を掴まれて撫でくり回される。



「せっかく同い年見つけたのにもうお別れせんとアカンとか！！ワイ寂しいわ〜！！！」




「お、俺も寂しいよ…」




「泣かへんでや〜！！」と冗談なのか本気なのか分からない金ちゃんの言葉を聞いていると、バスの方からこちらへと向かってくるもうひとつの足音が聞こえた。




「金太郎…それくらいにしや」



「財前！」



「光さん。」



べりっと俺から金ちゃんを剥がしたのは光さんだった。

金ちゃんの服を掴んだままの光さんは、おん、と小さく俺に挨拶を返してからバスの方を指さした。




「もうバス出るで。

お前の荷物、なんかわからんけどクソ重くてつめへんのやけど…はよ運びや」




「せやった！！忘れとったわ！！！」



ほな、またなー！！と元気に手を振った金ちゃんは、そのまま駆け足でバスの方へと戻って行った。






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