【テニプリ】聞く耳もたらすーその4【男主】

王神相搏つーその22 ページ47

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「行ってきなよ。俺たちは遠巻きにニヤニヤしながら見ててあげるからさ。」


「な、なんでそんな見方を…」


嫌だって面白いじゃん！と笑った淳さんは、俺をそちらへと押しやった。


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「部長、本当にやるんですね…」


「やぁ、いらっしゃいA！」


出迎えてくれたのは上機嫌の幸村部長。
ベンチには、その他に丸井先輩と仁王先輩と柳先輩がいた。

部長はいつもの様に愛用のラケットを持って、肩にかかったジャージをふわりと優雅にはためかせている。
その姿に｢敗北｣の二文字を漂わせる雰囲気は全くない。

跡部様には失礼だとは承知しているが俺は改めて部長の勝利を確信した。


「今日の試合、Aには最善の結果を捧げるからね。」


「それは嬉しいんですけど…自分から喧嘩ふっかけておいてボロ勝ち宣言とか、部長も大人気ないんですね…」


「勝ち…ね。まぁ見ておいてよ。」


持ってて、と部長のパワーアンクルを渡される。
部長はそのまま俺に背を向けてコートへ向かう前に、


「……ああ、跡部の悔しがる顔が浮かんでくる様だ。」


と言ってクスリと笑った。









「……部長って、容赦ないですね」


「そうじゃなぁ…ま、座りんしゃい。」


仁王先輩に促されて、ベンチに座る。
パワーアンクルの重みを感じながらコートへ目を向けると、二人がちょうど握手を交わしたところだった。
何か話しをしているので思わず耳を傾けると、



「…まさかこんな形で戦うことになるとはな。まぁいい、手短に終わらせてやるよ。」


「お前の腕がどんなものか、俺も確かめときたかったんだ。ふふ、よろしく頼むよ。」


「はっ、抜かしやがる。
……絶対負けねぇ。」


そんな会話を済ませて、二人は位置へとつく。
審判をするのは白石さんか。




ーー張り詰める空気に、思わずぐっと唾を飲み込む。


皆の視線を集めた中で、試合が始まる。



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