王神相搏つーその10 ページ35
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うぐっ、ま、眩しい…!!
俺はイケメンスマイルに唇を噛んで耐える。
だってどう見ても完璧イケメンで優しそうな白石さんに、眉を下げながら話すの緊張するとか言われてみろ。普通の女子なら倒れるぞ!?
そんなイケメン白石さんはニコリと笑いながら続ける。
「じゃー俺からやで!Aちゃんはどんなテニスをするんですか?」
ほい、とマイクを持つような形の手を向けられて、うっとなる。
だって俺、自慢出来るようなテニスをしているわけじゃないから…
「と言っても俺、そんなテニス出来るわけじゃないし…」
「謙遜せんでもええやん!王者立海のレギュラーさんやろ?」
ずいっと手を押し出されて、俺はしぶしぶと口を開いた。
「俺、耳がよく聞こえる病気みたいなもんを持ってるので…それでボールの回転する摩擦の音とかを聞いて飛ぶ方を予測するっていう方法を使ってます。」
そこで俺が「普段は耳栓をしてるんです」と髪を持ち上げて耳を見せると、白石さんはおお!と目をキラキラさせた。
「特殊能力みたいでかっこええな!耳栓しとってもちゃんと音は聞こえるんやな?」
「勿論です、耳栓しててもちょっと聞こえすぎるくらいなんで…
じゃあ次は白石さんの番ですよ。はい、白石さんはどんなテニスをするんですか?」
俺は白石さんがやった様に、マイクを持つ手の形を作り白石さんに向けた。
質問マイクを向けられた白石さんはふふん、と自慢げににやっとする。
「俺のテニスはパーフェクトなんやで!」
「完璧、ですか?」
「せや。Aちゃんみたいに特別な技があるわけやない。とにかく基本に忠実に、完璧やテニスをする。それが俺のやり方や!」
なるほど、さすが部長さんだ。
この白石さんの誠実さが、あの賑やかなメンバーをまとめあげる証拠となっているんだろうな…
完璧に、と自信満々に言い切った白石さんを見てそう思った。
そういえば、光さんが言っていたような。
白石さんの二つ名は確か…
「聖書、ですよね。」
俺がそう言うと、白石さんは目を細めて嬉しそうに頷く。
「知っとってくれたんやな。」
「光さんから聞きました。かっこいいなーと思ってたんで覚えてますよ。」
「かっこいい名前の奴ならお宅にもぎょうさんおるやろ。」
確かに。ペテン師に皇帝、極めつけは神の子だもんな…
俺がそうですね、と笑って返すと白石さんはせやけど、と言ってきゅっと表情を固くした。
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木こりのコロポ(プロフ) - 日吉和菓子2円さん» コメントありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2018年4月30日 0時) (レス) id: 43368e3037 (このIDを非表示/違反報告)
日吉和菓子2円 - ルドルフ組が可愛かったです! (2018年4月29日 22時) (レス) id: 9521c565b3 (このIDを非表示/違反報告)
木こりのコロポ(プロフ) - 第一部隊さん» コメントありがとうございます!ルドルフの中だと淳が好きなので、かなり淳との会話が多くなってしまったかなと思います…!お気に召して貰えたならなによりです! (2018年4月29日 19時) (レス) id: 43368e3037 (このIDを非表示/違反報告)
第一部隊(プロフ) - ルドルフかわいかったです!家族設定面白い!ありがとうございました! (2018年4月29日 18時) (レス) id: 91bd124fa4 (このIDを非表示/違反報告)
木こりのコロポ(プロフ) - 暁月さん» ご指摘ありがとうございます!訂正しました! (2018年4月29日 13時) (レス) id: 43368e3037 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:木こりのコロポ | 作成日時:2018年4月14日 8時