王神相搏つーその1 ページ26
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おはようございます、四日目です。
「……疲れた。」
ベッドの上、目が覚めたまんまのポーズで俺は呟いた。
まだ四日目?俺の中では一ヶ月くらいたった気がするけど、まだ四日目?
まぁ、無理もないと思う。
(…この三日間、色んなことがあり過ぎたからなぁ。)
特に昨日は。
練習してる皆はもっと疲れているはずだ。そう考え自分を叱咤しながら俺は服を着替えた。
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疲れているのは、やはり俺だけじゃなかったみたいだ。
「いやー…そろそろだろうとは思ってたけどね。」
赤也先輩が、来ていない。
幸村部長が笑っている隣で副部長がキレてる。
多くの学校は点呼も終わって思い思いに席に着いているのに、四校だけ点呼の終わっていない学校がある。
「お、俺、赤也先輩呼んできますね!!」
今にも爆発しそうな副部長を見て、俺は赤也先輩の部屋へと向かうため走り出した。
「っ、うわ!」
「おっ、と。」
食堂を出てすぐの曲がり角で、誰かにぶつかった。よろめいた俺を支えてくれたその人に謝ろうとして慌てて顔を上げたら、ぶつかってしまったのは忍足さんだった。
「すみません忍足さん!」
「俺は大丈夫やで。Aちゃんは怪我ないか?」
「だ、大丈夫です…」
「ならええんやけど。そんなに急いでどこ行くつもりやったん?」
「赤也先輩が来ていないので、呼びに行こうとしてたんです。」
「確かに朝食の時間は過ぎとるけど、息切らして走ることないやろ」と笑われて、ちょっと恥ずかしくなる。
すみませんと俯いてもう一度言えば、
「そや、そういえばウチの日吉もまだ来とらんのやったな…切原と同じ部屋やし会うたら呼んできてくれんか?」
日吉さんと赤也先輩が同じ部屋?
と不思議に思った後で、そういえば不二さんが部屋を変えたのだと言ったのを思い出した。
(…なら俺、先輩の部屋どこかわかんねーじゃん…!!)
「す、すみません忍足さん……お二人の部屋番号教えて貰えますか…」
そう聞くと忍足さんは一瞬目を見開いた後に、めっちゃ笑い始めた。
「ぶっ、なんやAちゃん、どの部屋か知らんのに呼びに行こうとしとったんか!?」
「わ、笑わないでください!俺急いでるんです…!」
「はー可笑し…アイツらの部屋は205やで。走って転ばんようにな。」
「よ…余計なお世話です!」
笑ったまま手を振った忍足さんをちょっと睨んで、俺はまた走り出した。
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木こりのコロポ(プロフ) - 日吉和菓子2円さん» コメントありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2018年4月30日 0時) (レス) id: 43368e3037 (このIDを非表示/違反報告)
日吉和菓子2円 - ルドルフ組が可愛かったです! (2018年4月29日 22時) (レス) id: 9521c565b3 (このIDを非表示/違反報告)
木こりのコロポ(プロフ) - 第一部隊さん» コメントありがとうございます!ルドルフの中だと淳が好きなので、かなり淳との会話が多くなってしまったかなと思います…!お気に召して貰えたならなによりです! (2018年4月29日 19時) (レス) id: 43368e3037 (このIDを非表示/違反報告)
第一部隊(プロフ) - ルドルフかわいかったです!家族設定面白い!ありがとうございました! (2018年4月29日 18時) (レス) id: 91bd124fa4 (このIDを非表示/違反報告)
木こりのコロポ(プロフ) - 暁月さん» ご指摘ありがとうございます!訂正しました! (2018年4月29日 13時) (レス) id: 43368e3037 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:木こりのコロポ | 作成日時:2018年4月14日 8時