名前のない関係─CM (ページ26)

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チャンミンに頼むと言う手もあったけれども
あいにく連絡先は交換していない。
ミアちゃんにそれを言われたらアウトだとそれも考えて買い出しを急いでいた。
セーフ・・
でも心が痛い。

スーパーにつくとお酒コーナーに真っ先に向かった。

「うーん・・」

「ビールとワインも、あと・・」

すぐ後ろで聞こえる声に思わず振り返った。

「チャ・・！」

まずい、と思って名前を呼ぶのをやめた。

「早く終わってタカシの家に行ったらAが買いだしに行ってるって聞いて」

「だからって・・」

「こんな郊外にいると思われませんよ」

なんだ、嫌味か。

「それに案外バレないもんです」

そう言いながらすごい勢いでビールとワインを買い足してるチャンミン。

「かご、重い・・」

「我慢しろ」

韓国人はレディーファーストじゃないのか・・
重くなっていくかごと格闘しながらタカシの好きなウイスキーを3本足した。

「・・超重い」

会計はチャンミンが払ってくれたけど袋を持つ気配もなく嫌味ったらしく言ってやった。

「あ、あれ買いましょう！」

「え？」

「100均あるみたいだし、パーティーグッツ！」

キラキラした瞳で言われたら断れない。
それにミアちゃんはおふざけグッズは一切買ってなかった。
うん、うけるかも・・・。

「100均二階だから、行こうか」

そう言って歩いても荷物を持ってくれないその長い足に腹が立つ・・
マネージャーか、私は！
あぁ・・そっか・・

「フフ・・」

「なんですか」

「いいえ、ありがとう」

「重い荷物持ってどMか」

そう言ったチャンミンの耳はほんのり赤かった。

重い荷物を持っている女と先を歩くスーパースター
万が一一緒に居てもきっとスタッフと間違われる。

そういうわかりにく配慮がチャンミンらしくて
思わず背中に愛おしさを感じてしまった。