ページ ページ10
学校までの道のり。
私よりも随分背が高いくせに、私より歩くのが遅く、少し後ろを歩く。
まだ開店していないいつもの駄菓子屋。
すれ違う小学生の笑い声。
強くなってきた日差し。
「夏やなあー」
よく通る、聞き慣れてきたその声。
「ねえ、走らないと、遅刻しそう」
「まじか。俺走りたないから遅刻します」
「だめ、走ろう！ほら！」
走り出すと、なんだか久しぶりのこの感覚に懐かしくて涙がでそうになりながら、でも気持ちが良くて、足が軽くなっていく。
「は...っ、おまえ、めっちゃ足はやっ...！」
時間ギリギリで校門をくぐり、肩で息をしながら言う菅田がなんだか面白くて笑えて、2人して声をあげて笑う。トモダチ、になったみたいだ。きっと私たちは。
首元の汗を手の甲で拭いながら、きれいな金髪が揺れる。夏の太陽を背負った彼を、私は眩しくて直視できなかった。
おわり
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 231人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ヨーコ(プロフ) - ドキドキ止まりません！最高です！更新楽しみにしています♪ (2020年4月4日 20時) (
レス) id: b9e84898e5 (このIDを非表示/違反報告)
その(プロフ) - ゆんさん» ありがとうございます〜！楽しみにしていただけて嬉しいです。そろそろ終わりに向けて、と思ってますが、もう少しお付き合いくださいませ♪( ´▽｀) (2020年2月6日 21時) (レス) id: 55b0c33bda (このIDを非表示/違反報告)
その(プロフ) - ショウさん» いつもありがとうございます〜！寒いの苦手なのは倫也さんのリアルを意識してみました( ´ ▽ ` )もうしばらくお付き合いくださいませ！ (2020年2月6日 21時) (レス) id: 55b0c33bda (このIDを非表示/違反報告)
ゆん - 更新とても嬉しいです！題名が２匹と書かれていたのでドキドキしながら読みました！そのさんの作品を見るのが今の私の楽しみです！少女漫画のようにきゅんきゅん毎回させてもらえて幸せな気持ちになります！これからも応援しています！ (2020年2月6日 15時) (レス) id: 57aaad4ad9 (このIDを非表示/違反報告)
ショウ(プロフ) - 感想遅くなりましたが、らいおんの告白とても胸に響きましたっ！2匹のやり取りの続きもとても楽しみに待ってます、おおかみが寒がりなところ保温ポット愛用されてるのでピッタリですね 笑 (2020年2月5日 15時) (レス) id: bd7e526c97 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：その | 作成日時：2019年12月10日 12時
