第6話 ページ6
そういうとケチャップを
飲んでいたサンズは噎せる。
予想外の質問だからなのか、図星だからなのか
それはわからないが、彼は照れている。
「あー……そうも見えるのか?」
意図した考えはなかったわけだ。
彼なりの純粋なプレゼントだろう。
そうだな、敢えて言うなら、と彼は言葉を紡ぐ。
「お守りだ。お前さんがずっとここにいるって
証だからな。オイラの保証付きだぜ?」
ーーーまるで見透かされたみたいだ。
私はまだこの世界にいていいのか迷ってる。
ここは本当に私の帰る場所なのだろうか。
みんな私を受け入れてくれているのだろうか。
どんなに言葉にしてくれても私はまだ
最後まで信じきれていないのだろう。
博士の言う通り、難儀なものだ。でも信じたい。
私の一方的な思いでも。
それでもいいと思っていたが
サンズからのプレゼント。
それだけで私の心は温かな気持ちで満たされた。
「ありがとう、すごく嬉しい。」
私はそっとスカーフに触れた。
ドキドキする。どうしてだろう。
嬉しいから余計に鼓動が速くなってるのかな?
「このスカーフ、サンズみたいな色だね。」
「それ、は……A、オレはーーー。」
何か言いかけたその時、ドアが勢いよく開き
ものすごいスピードでサンズに激突する何か。
さっきまで飲んでいたケチャップが
出そうになったようだが、なんとか堪えたようだ。
「ごきげんよう。」
「ごきげんようじゃねぇ!何すんだ!この悪ガキ!」
思わぬ登場と、"ごきげんよう"。
ニコニコしながら迫るキャラに
じわじわと笑いが込み上げてくる。
「……ぷっ……ふふ、あははは!!」
だめだ、それは面白すぎる!!
前々から彼女やフリスクの表情が
変わらないまま、同じだとじわじわきたけれど
ここまで再現されてしまっては
堪えるものも、堪えきれない。
「キャラ、置いてかないでよ。」
「A姉さんの危機察知が発動した。」
「そんなこと聞いてないよ。」
キャラはサンズから離れると
アズリエルとフリスクと一緒に座る。
そういえば、こんな夜に彼らは
なぜ出歩いてるのだろう。
まだ遅くないとはいえ、トリエルに怒られるのでは?
「いや、それA姉さんもだから。
私たちは迎えに来ただけだよ。」
トリエルは私の年齢を幼く見すぎじゃないか?
確かにモンスターからしたら
まだまだ子供なのだろうけど。
これでも一応、成人なんだが。
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作者名:あゆさ | 作成日時:2020年12月2日 20時