第43話 ページ45
「助けたいなんて言わない。
同情なんて出来ない。」
私は彼らを助けることも
傷つけることも出来ない。
でも、寄り添うことは出来る。
「だからね、エラー。君の嫌なことはしないし、
傷つける事はしない。ただそばにいるだけ。
君はそれすらも鬱陶しいだろうけどね。」
「俺はーーーいや、いい。お前の考えはわかった。」
わかってくれてありがたいよ。
こんなことサンズ達に言ったら止められちゃうしね。
で、なんで私はエラーの部屋に呼ばれたんだ？
「この世界は退屈なんだろ？俺が話し相手になって
やるから俺の部屋がわかるよう案内しただけだ。」
「え？話し相手になってくれるの？」
「ああ、ナイトメアやコアもここまで手を
出さねぇからな。インクは入ってくるけど。」
ーーー予想外だった。
そもそも彼は騒がしいのとか嫌いだし
馴れ合うのとかもあんまり
好きなイメージではなかったんだけど。
私は思わず笑みを浮かべていた。
少しは君に気を許して貰えたのかなって。
「ねぇ、一緒に編み物しよ？
私、不器用だから作り方教えてね。」
「ちっ……わかったから、はしゃぐな。」
＊
それから彼に編み物を教わっている訳だが
人形を作るのって難しいんだな。
ボンドとかあれば簡単なんだろうけど。
……そう考えると編み物だけで
サンズの人形を作ってしまうんだから
エラーは本当に手先が器用なんだな。
それにしてもまた赤縁メガネつけてる。
エラー可愛いな！！！本当に！！！！
正直メガネ萌えなんてなかったんだけど。
これはこれであり！！！好き！！！！
「お前、今変なこと考えてるだろ？」
「失礼だな。赤縁メガネつけてるエラーが
可愛いと思っただけだよ。」
「ーーーそんなの当たり前だろ。」
そう言って彼はまた作業に集中する。
可愛いを肯定しちゃうエラーもかわゆす。
と、くだらない話をしているうちに
彼は人形を完成させたようだ。
何を作ったのかと思えば
服装を見る限り、たぶん私だと思う。
「……他にモデルいなかったの？インクとか。」
「は？なんであいつなんか
作んなくちゃいけねぇんだよ。」
というかその人形飾るのか？
すごく恥ずかしいんだが。
「うるせぇよ。あとこれやる。」
彼はぽいっとこちらに、それを投げた。
慌ててキャッチしてみると、
赤と黒と青の組紐で作られたミサンガだった。
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作者名：あゆさ | 作成日時：2020年12月2日 20時
