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第30話 ページ31

*撮影現場裏


俺と先輩はたまたま


その現場に居合わせた。


Aがマスタードとフリスクと一緒にいる。


いや、違うな……あれマスタードじゃない。


「ふ、Flowerfellめちゃくちゃ良かったです。
シングルソングも聴きました。……サインください。
あ、あと写真もいいですか?」


照れくさそうに二人は戸惑っている。


先輩はあー、と何か納得したようにそれを見ている。


何か知ってるんですか?と質問すると。


「いや、あいつ確かFlowerfellの話が好きなんだって
言ってたのを思い出した。全体的に性癖に
刺さるだのなんだの。」


ーーーAのオタク話は長いからな。


おそらく誰かに話したくて堪らないのだろう。


それが先輩相手にもなされていたようだが


曖昧に覚えている辺り、先輩は適当に流していたか


無視していたのだろうな。


「あ!先輩!ナイトメア!丁度良かった!
写真撮ってくれない?」


嬉しそうにこちらに手を振ると、携帯を渡される。


先輩は、やる気は無さそうだが、その場で見ていた。


写真を撮ろうと構えるが


何故かAは二人の真ん中ではなく


フリスクの隣の端にいる。


「あ、あの?Aは真ん中じゃなくていいの?」


「は?解釈違いなんですけど。」


Aの言葉とは思えない


鋭い口調で指摘され、何故かすごく傷付いた。


先輩はそんな俺の様子を見て笑っている。


「二人が一緒だからいいんじゃん!
私はその二人と映れるだけで幸せなの!!」


あ、うん、そう……と誤魔化すように笑い


そのまま写真を撮った。


彼女は嬉しそうに携帯を受け取ると。


「ありがとう!さっきはごめんね。
つい怒ったような口調になっちゃった。」


先程とは別人のようにご機嫌になっていた。


AはFlowerfellの二人に向き直る。


「これからも、ずっとずっと応援してます!」


「ふふっ、ありがとう。」


「またな。」


Aの顔は嬉しさで涙が零れそうな勢いだった。


Aってこういう一面もあるんだなと


様々な彼女を見つけて


なんだか不思議な気持ちになった。


「あ!クロメアの写真もいい!?」


「「カプ名、やめろ。」」

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作者名:あゆさ | 作成日時:2020年12月2日 20時

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