第13話 ページ13
*三度目の世界、僕は彼を殺した。
*もう見ていられなかったから。
*けど、彼が居なくても物語は紡がれる。
*最悪だ、最悪だ、最悪だ、最悪だ!
*一度目や二度目よりも最低な結末だ。
*彼女は狂い、守りたかった皆を殺す。
*自分が生き延びるために殺す。
*全て彼のせいだと彼女は笑いながら泣き叫んだ。
*「もういっそ、殺してよ……っ!」
*彼女は殺された。そしてまた彼の誕生だ。
*いい、もう十分だ。こんな物語、見たくない。
*はやく終わらせてくれ。全て、終わらせてくれ。
*四度目なんて来ないで。
*
夢を見た、同じ夢だ。私に手を伸ばす誰かの夢。
この夢とは違うけれど、この世界に落ちてくる前に
同じような夢を見た事を思い出した。
「君は、誰だっけ。」
どんな姿かは忘れたけど、名前を教えてくれた。
確か君はーーー。
突如、部屋のドアが開き、キャラが私に飛びかかる。
その衝撃で思いつきそうだった名はとんでしまった。
「ど、どうしたの?」
「今日休みでしょ!デートしよ!そして結婚しよ!」
キャラの後に続きフリスク達も部屋の中に入る。
「わかった、出掛けたいのね。
準備するから部屋から出てくれる?」
「僕達は外で待ってるから。」
「ほら、キャラも行くよ。」
「えー!A姉さんと一緒に行く。」
「着替え覗きたいだけでしょ。ほら行くよ。」
二人に引っ張られていってしまったキャラ。
彼女には困ったものだ。
何度も求婚してくるのだから。
一日に1回はプロポーズされる。
こんなこと初めてで、可愛くて笑ってしまう。
さてと、はやく着替えてしまおう。
フリスク達が待ってる。
*
赤と黒のしましまなセーター、
茶色短パン、黒いタイツという格好は
この世界に落ちてきた時に着ていた。
おそらくバグがフリスクやキャラに似せたのだろう。
休みの日はこの格好が落ち着く。
外へ出るとサンズも一緒にいた。
そんな彼にキャラは今日も立ち向かっている。
「なんでお前も来るんだよ!」
「Aが狙われたことは話しただろ?
今日はオイラが担当なのさ。」
「ふん!」
納得してるのか、してないのか。
どちらかはわからないが、彼の同行を認めたらしい。
「今日は近くの公園に行こうよ。」
アズリエルとフリスクに手を引っ張られる。
久しぶりに皆と出かけられて嬉しいのだろう。
それは私も一緒だった。悲劇が訪れるまではーーー。
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作者名:あゆさ | 作成日時:2020年12月2日 20時