【UNDERTALE】決意と意志と奇跡

第47話 ページ47

僕は思わず黙ってしまう


彼はまあ、気持ちは


わからなくもないと話すが


与えられたものを受け入れて


生きていくのも悪くないとも言われた


彼は僕をここへ留めようとしてるのだろうか？


いや、そうじゃない


その可能性もあるという話をしてる


帰る意味はあるのかと問いながらも


彼は今の質問を忘れてくれと言った


「オイラはアンタを応援してるぜ」


ーーー彼の一言で僕の中の心が、ソウルが熱くなる


たったその一言だけだったのに


認めてもらえてみたいで、背中を押されたみたいで


「ありがとう」


サンズは少し黙ったあと、


面白い話をしてやるよと言った


遺跡の前のドアで彼はギャグの練習をしていた時


ドア越しからツッコミをいれた人がいると


よく笑ってくれたらしい


……おそらくママのことだ


その後も何度も訪れたらしい


最高だろ？と共感を求められる


確かに好きなものを一緒に楽しめるなんて


とても素敵な時間だと思う


「でも、ある日おばさんが
あんまり笑ってくれなくてさ」


サンズは心配したのだろう


どうしたの？と聞いたらしい


そしたらママは、もしここから


ニンゲンが出てくることがあれば


＊どうかそのニンゲンを守ってあげて


「オイラ、約束すんのって好きじゃないんだ」


そういったサンズは少し悲しそうだった


けれど、サンズは彼女の頼みを断れなかった


「つまり、どういうことか、わかるか？」


ーーーーえ？


"あの約束がなかったら"


「おまえは いまごろ とっくに しんでいた 」


僕の背筋に汗が伝う


サンズの真っ黒な瞳に


吸い込まれてしまいそうで


「はは。そんな顔すんな、からかっただけだ」


……タチの悪いからかい方だと思う


ーーー本当にからかっただけ？


サンズは話を変えて黒い欠片を机に置いた


「コアの入口付近に落ちてた
これで最後なんだろう？」


「触ってもいいかな？」


「……ああ」


最後の欠片


もしかしたら僕の体を奪おうとするかもしれない


いや、違う……彼女はそんなことしない


ーーー信じてる


黒い欠片に触れた


＊どうか、私に救わせて。あの子たちを


声が聞こえたのと同時に記憶が流れ込んでくる


＊私の大好きな物語


私の大好きなキャラクター


君たちを目にする度に私の心は酷く揺れ動く


痛み 優しさ 悲しみ 思いやり 温かい


私よりもずっと人間らしく生きている


誰かを思う気持ちが強い君たちに憧れすら感じた

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