ファイアーエムブレムif〜罪をおかした軍師〜【透魔編】

ー…共闘2…ー ページ11

そう、一度だけ


彼女と共に戦ったことがある


ただ……彼女の戦い方には


あまり賛同出来ないものが多い


敵だとしてもやりすぎではないかと思う時がある


だが、私はそれを口にはしない


彼女も慈悲がないわけではないからだ


「これからよろしく頼みます。ユウギリ」


ユウギリ「ええ！こちらこそ」


＊


敵将倒した後


カゲロウがいるか探しに行く


どうやらサクラ様が牢獄を見つけたらしい


みなで急いで牢獄へと向かうと


そこには傷だらけのカゲロウの姿があった


だが、命に別状はないようだ


カゲロウは驚いた顔でカムイ様を見る


無理もない裏切ったと思っていたのだから


話も聞かないで裏切り者扱いも


どうかと思うけど


ほかの仲間を思っての事だ、仕方ないか


カゲロウはリョウマ様からの


伝言を預かっているらしい


……なら彼女を助けたのも


無駄足ではなかったという事だ


と、こんな言い方は嫌だな


助けた甲斐があった？


いやそれもどことなく……


一人で悶々と考えているうちに


話は進んでいく


リョウマ様はシュヴァリエ公国にいる


そこでは反乱が起きていて


リョウマ様は彼らと暗夜に攻めるつもりらしい


……それだけは何としても避けたいな


カムイ様は恐らく両国から力を借りたいと考えてる


それを抑えなければ仲間になるどころの話じゃない


タクミ様の案でまずは港に向かうことになる


船を確保しておかなきゃな


…………船か……懐かしいものだ


あの時の策は本当に自分でも


突拍子のないものを思い付いたと思ってる


その話をしたらアズールもすごく驚いてくれて……


…………ああ、ダメだ、ダメだ


いま、思い出すことじゃない


余計な思考と胸の痛みを払うように


私は周りにバレないよう静かに深呼吸する


「よし」


小さく気合いを入れて


私は顔を上げる


大丈夫だ、私はまだ何も諦めてない


諦めてたまるものか


待っていて……アズール、セレナ、ウード


＊
ラズワルドside


……ふと強い風が窓から入り込む


思わずそちらに目を向けると


月の光が少しだけ淡い青色に見えた


淡い青……蒼……蒼といえば


彼女が大切な人からもらった首飾り


まるで、僕の色だって微笑んでくれた君


ラズワルド「……」


大丈夫、何も不安がることは無い


だって彼女は誰よりも痛みを知っていて


誰よりも優しくて、強い


窓の方へ行き、月に向かって手を伸ばす


ラズワルド「待っていてA」

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