第九十八話 ページ48
これは私の感情で
貴方達にそういう思いがあったかはわからない
でも私はーーーそれだけは
その幸せな一時だけは
誰にも踏みにじられたくない
「そうか……最期に名前を聞いてもいいか？」
『橘A……』
「A……A……うむ！覚えたワン！
恩に着るぞ。アタシは使えるべき主に
最期まで使えることが出来た
ーーーー本当にありがとう」
嬉しそうに涙を浮かべながら彼女は消滅していった
……ちゃんと思いは伝えられた？尚人くん
私たち、会って間もないけど
どこか似てる雰囲気を感じ取ったのかもね
その時、ここから離れた場所から
銃声が聞こえた気がした
「…………あっちの森か」
ハイドの視線の先は
さっきの公園より奥の方にある森
でも音の場所は特定出来ない
「……どうするよ？」
『アーチャーかもしれない。行ってみよう』
「じゃあ、俺様ちゃんは一旦代わるわ」
『あ、ちょっと待って』
"何だよ？"と言いたげな顔
でも怒ってない、不機嫌でもない
かといって気だるげでもない
いつになく真剣というか
「おい、早くしろ」
『あ、ごめん。その……ありがとう
尚人くんたちに手を出さないでくれて』
ハイドは目を見開いてこちらを見る
お礼を言うのがそんなに意外だっただろうか？
「ーー別に、殺す気が起きなかっただけだ」
そう言い残しジキルと変わる
「……これから様子を見に行くんだね？」
『うん』
ジキルは私を抱えると先程の森に向かう
が、音を特定出来ない以上
見渡しのいい場所は危ないので
直ぐに隠れられそうな、獣道に降りる
『どこにいるかわかる？』
「ああ、そう遠くないな
ランサーもいるかもしれない。気を付けよう」
ジキルが歩き出す
私もその後ろに続こうとしたその時
銃声が聞こえ、その刹那
"危ない！"そういって
私に覆いかぶさり、同時に地面に倒れた
……まさかもうバレたの？
「……おそらく姿を見られたんだろう
ここから離れよう」
ジキルに手を掴まれ一目散に走る
でもこれじゃあ相手の思うツボなんじゃ？
いや、敵に位置を知られた以上
移動するのはいいのだが
なんだか胸騒ぎがするのはどうして？
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まな★★(プロフ) - ゆきさん» コメントありがとうございます！そのように思って頂けて嬉しいです！ (2019年4月4日 12時) (
レス) id: 5821fa07da (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - 橋さんの心の在り方に感動しました。私もこのように在りたいです。 (2019年4月4日 10時) (レス) id: cbcf733df5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まな★★ | 作成日時：2019年2月21日 10時
