第九十二話 ページ42
しばらく話していたが
いつの間にかもう肩の辺りまで切られていた
ちょっとした長さを整えて
「うん、どうだろうか？」
鏡を渡されて自分の姿を見る
……いい感じだ
前よりもなんか心が軽くなった
さっぱりしたからかな？
『ありがとう。アサシン』
ジキルはちょっと不満そうな顔を見せる
珍しいな、彼がそんな顔を見せるなんて
"どうしたの？"と聞くと
「君はあいつのことばかり名前で呼ぶ
ーーーってこんな時に何言ってるんだろ僕は……」
ーーーーえ？そうかな？
そういうの考えたことがない
とりあえず絶対外では言わないようにしてる
ーーーああ、でもたまに本音でつい
口に出しちゃう時があるな
『えっと、じゃあ……ありがとう、ジキル』
「ーーー！ああ！」
嬉しそうに笑うジキル
なんだか私も嬉しくなってしまう
＊
『明日の帰り、バーサーカーのマスターと
会うことになったの』
突然の話題にジキルは目を見開く
そしていつもの不満そうな顔
毎回、私が無理を言ったり
無茶をしているのは承知しているが
いい加減、"こういうやつだと"
割り切って欲しいな〜なんて
「……わかった。何を言ったって
君が言うことを聞かないからな」
『えぇ、そんなことないよ……』
一応、話をするだけなのだが
相手が私の事をマスターだとわかっている可能性
バーサーカーが襲いかかる可能性を考えて
物騒だが、じっちゃんから貰った
刀を持っていこうと思ってる
竹刀を入れていた袋なら
不審者と間違われないだろう
「……僕も行くよ」
『え？でも明日はバーサーカーだし
勝手に行動されたら困るというか』
「あ？んなことしねぇよ！」
急にハイドが出てきた
出てくるかもという予感はあるが
急だから心臓に悪い
『それに魔力察知されちゃう』
「……わかった。俺様ちゃんは
そんときは出ねぇよ。戦闘時に出せ」
そういうと大人しく戻っていった
翠の瞳が見開いたままになっている
ジキル自身も驚いているようだ
「えっと……」
『あ、うん。それなら大丈夫』
……ハイド少しは落ち着いたのかな
なんだかわからないけど
それが少し嬉しくて
『明日はよろしくね、アサシン、バーサーカー』
＊
「A、今日は一緒に帰れるだろうか？」
帰りの身支度をしていたところ
柴崎くんから話しかけられる
ーーー本当に申し訳ないが
これから尚人くんに会いに行かなければならない
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まな★★(プロフ) - ゆきさん» コメントありがとうございます！そのように思って頂けて嬉しいです！ (2019年4月4日 12時) (
レス) id: 5821fa07da (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - 橋さんの心の在り方に感動しました。私もこのように在りたいです。 (2019年4月4日 10時) (レス) id: cbcf733df5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まな★★ | 作成日時：2019年2月21日 10時
