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狐火 灯世里【怪盗学園/彩華】 ページ22

「くそっ!どこ行きやがった…必ず探しだして捕まえろっ!」

響くサイレンの音と瞬くライトの光。警備員の焦った声。雇い主と思われる者の怒声。

今回の獲物は、世界でもトップレベルの大きさを誇るアクアマリン、「ブルーオーシャン」。
厳重に警備をするために多額の金を使ったにも関わらず、「ブルーオーシャン」が盗まれた。
まあ怒鳴るのも納得だ。

そんな光景をよそに、彼女は屋上に腰掛けて、宝石をじっくり見つめていた。

「ふふふ。これが噂の「ブルーオーシャン」かぁ!さすがあの富豪のお眼鏡にかなった宝石。大きさもカラットもパーフェクト!まさに壮大な海って感じだね♪」

1ヶ月以上リサーチして、ようやく手に入れたターゲット。やはり何か、感慨深いものがある。
しかし現実は、あまり感動に浸らせてはくれない。その時、「いたぞっ!」という野太い声と一緒に、警察と警備員…ざっと50人がやってきた。

どうやらのんびり宝石との出会いを楽しんでいる間に、奴らが追いついてきてしまったようだ。
そして中央には見慣れた警部の顔が。

「やはりお前か、怪盗フォックスガール…!」

「お久しぶり。牧原警部…だっけ?」

「行原だ…いい加減覚えられるだろ!」

「おっと失礼。まあ、どうでもいいか。予告状通り、「ブルーオーシャン」いただいていきますね!」

そう告げると同時に警察の群れへ突っ込んでいく。予想通り、相手は突然の動きに反応が追いつかず、動きがワンテンポ遅れた。流石に相手はプロ。すぐ追いついてきた。

(久しぶりのこの感覚。この高揚感。)

「さあ、追いかけっこ開始と行こうじゃないか。楽しませてくれよ!」

少しスピードを落とすと、ちょっとおバカな警備員が飛び出してくる。その警備員には足を引っ掛けて転ばせ、持っていた警棒を奪いとる。そして行く手を邪魔する警備員も薙ぎ払い、長い廊下を駆けていく。

進んだ先にいたのは、相撲力士のように大きい警備員。なんとこちらへ向かって突進してきた。

「よっと!」

私は彼の背中に手を乗せて、跳び箱のように飛び越えた。相手は転んでしまうけど、大きなケガはしない。さすがに人を傷つけるのは好きじゃないからねぇ…

その後唐辛子の粉を巻いて動きを止めたり、持ってた武器や帽子を奪って遊んだりしていたら、気づけばもう周りに警備員はいなくなっていた。

どうやら全員、彼女の「遊び」で体力が尽きてしまったらしい。

・→←竜天快【怪盗学園/メリエス】



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作者名:メリエス x他9人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年7月30日 9時

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