灯台下暗し ページ10
黒猫はゆっくりと首を横に振った。
えぇ!ないの!?
『…………ないですか?』
黒猫「にゃん」
今度は首を縦に振った。
こんなにたくさんの花が載ってるのに無いなんて…………そんなことあるんだ……
どうしよう、そんなに珍しい花なのかな?
どっちにしろ分からないんじゃ提供も出来ないし………
黒猫「_____にゃ!」
『ん?』
頭を悩ませていると、黒猫はふいに声を上げた。
黒猫の目線の先は_____
『爪??』
黒猫「うにゃ!」
実は私の爪はいつもネイルをしている。今日もネイルを変えたばかり。
今日のネイルは………『たんぽぽ』だ。
『え…………たんぽぽ?』
黒猫「にゃん!」
『たんぽぽが欲しいの!?』
黒猫「にゃあん!」
首がちぎれる勢いでブンブンと頷く様子から、たんぽぽを欲しがっていると見て間違いないだろう。………にしても意外と普通っていうか……………うん。
『灯台下暗し』って言った方がいいのかな。
『分かりました!少々お待ち下さい!』
たんぽぽをお供えする人なんて中々いないから、すぐに分かった。
なんとちょうど数週間前に、短くぶつ切りにされたセイヨウタンポポが貯蔵庫に届いたんだ。
きっとそのたんぽぽだろう。
___それにしてもたんぽぽをお供えするのかな?
そんなことを考えながらも私はたんぽぽを持ってくると、すぐに透明な包装紙に包んで赤いリボンで留め、小さめの花束を作った。
『黒猫さん、これ』
さっきみたいに猫の目線に合わせてしゃがむと、たんぽぽの花束を床にそっと置いた。
黒猫は花束を口に咥えると、満足そうに目を細めた。
『さて、黒猫さん』
ここからが本番だ。
『あなたの亡くなった理由を』
現世でのことを
『教えてください』
黒猫は花束で鳴けない代わりに、大きく頷いた。
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クルイ - リクエスト、ありがとうございます! (2021年12月2日 18時) (レス) id: 6c77753d41 (このIDを非表示/違反報告)
からちゃ(プロフ) - パトさん» パトさんありがとうございます!なるほどNGワードですか…確認します。期待に応えられるように頑張ります! (2021年5月15日 12時) (レス) id: 1908544fd9 (このIDを非表示/違反報告)
パト(プロフ) - NGワードとかが入っちゃってる感じですかね……? ごめんなさい、コメントしておいて何ですがよく分かりません。この作品、とても好きなので一刻も早く更新が再開できるようになることを願っております! 体調に気を付けて頑張ってください! 応援してます! (2021年5月14日 21時) (レス) id: 8ed95612e3 (このIDを非表示/違反報告)
莉亜(プロフ) - ありがとうございます! (2021年5月14日 18時) (レス) id: 08c098a676 (このIDを非表示/違反報告)
からちゃ(プロフ) - 莉亜さん» 遅くなってすみません!今さらですが、この作品は完全オリジナルなので煮るなり焼くなり好きにしていただいて結構です!早くに返信できなくて本当にすみません、、、 (2021年5月14日 18時) (レス) id: 1908544fd9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:からちゃ x他1人 | 作成日時:2020年9月24日 21時