傷だらけ ページ29
カランコロン___
『いらっしゃいませ』
???「…………」
今日のお客さんは、小さな女の子。
髪は伸びきってボサボサ、着ている服は古めかしく、裸足で歩いている。
ぽっかりと虚ろな黒い目がこちらを見ていた。
『えっと、どんなお花を探してるの?』
出来るだけこわくないように、にこっと笑って聞いてみたものの、全く答えてくれない。
(____虐待死………かな)
ガッツリ独断と偏見で決めてしまったが、どう見ても良い扱いはされてなかったようだ。
手足はやせ細り、ウロウロと女の子が歩く度にシャツのそでの隙間から、沢山のアザや傷がチラチラと見え隠れしている。
『ねぇねぇ』
女の子「………?」
私は過去を探る為にも、恐る恐る話しかけてみることに。
『お母さんはどんな人?』
こてんと首を傾げていた女の子は〈お母さん〉という言葉を聞いた途端に、ビクッと肩が跳ねた。お母さんに怯えていることがバレバレだ。
『言えなかったら答えなくて大丈夫だよ〜』
出来るだけ………慎重に………
女の子「………ぅあ」
何か言おうと必死だが、声が喉につっかえて出ない様だ。
(待ってみようかな)
とりあえず言ってくれるその時まで待つことに。
ーーーーーーーーーーーーーー
雨がパラパラと降り始め、外のブリキの人形にあたり、カンッと軽やかに雨粒が弾け出した………その時。
女の子「あの…………お母さん………」
『!!』
よし来た!来た!言ってくれるぞ!
期待に胸を膨らませ、女の子の目線までゆっくりとしゃがみ込んだ。
オロオロしながら、消えてしまいそうな声の女の子は、一つ一つ思い出しながら、マイペースに話し出した。
女の子「えっと………お母さん、は………こえが、大きいひとで………」
『…………』
女の子「怒ってて……怖い…………」
『ほう……』
女の子「叩いてくる……なんかいも………」
『……成程………教えてくれて、ありがとう』
たどたどしいけど、話してくれただけで感謝感激雨あられ。
仲良くなるために、もう少し話してみることに。
『ねぇねぇ、好きなお花はある?』
女の子「…………トケイソウ」
『あぁー時計草ね!凄いね!良く知ってるねえ』
女の子「図書館に行ったときに、本にのってた」
『じゃあ、本をよく読むの?』
女の子「……うん」
『へぇー凄いな………私は読んでもすぐ諦めちゃうんだよねえ〜………全くどうしたもんか……』
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クルイ - リクエスト、ありがとうございます! (2021年12月2日 18時) (レス) id: 6c77753d41 (このIDを非表示/違反報告)
からちゃ(プロフ) - パトさん» パトさんありがとうございます!なるほどNGワードですか…確認します。期待に応えられるように頑張ります! (2021年5月15日 12時) (レス) id: 1908544fd9 (このIDを非表示/違反報告)
パト(プロフ) - NGワードとかが入っちゃってる感じですかね……? ごめんなさい、コメントしておいて何ですがよく分かりません。この作品、とても好きなので一刻も早く更新が再開できるようになることを願っております! 体調に気を付けて頑張ってください! 応援してます! (2021年5月14日 21時) (レス) id: 8ed95612e3 (このIDを非表示/違反報告)
莉亜(プロフ) - ありがとうございます! (2021年5月14日 18時) (レス) id: 08c098a676 (このIDを非表示/違反報告)
からちゃ(プロフ) - 莉亜さん» 遅くなってすみません!今さらですが、この作品は完全オリジナルなので煮るなり焼くなり好きにしていただいて結構です!早くに返信できなくて本当にすみません、、、 (2021年5月14日 18時) (レス) id: 1908544fd9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:からちゃ x他1人 | 作成日時:2020年9月24日 21時