検索窓
今日:38 hit、昨日:21 hit、合計:27,359 hit

NAGOYA-Day2 ページ42

【side: JH】

スマホが目覚ましのアラームで震えた。
きっちり閉めたカーテンの隙間から入ってくるのは真新しい朝の光で、眩しさに目を細めながら通話ボタンを押す。

JH「……おはよ、起きた?」

少しだけ眠たげで、普段よりふわふわした声が返ってくる。

『おはようございます。ちょうど今起きました』

その声を聞いた瞬間、胸の奥が緩んだ。
普段は起きるのがしんどい朝も、今日はすっきり起きられた。普段より随分ゆっくり喋る声にまた話しかける。

JH「じゃあ、準備できたら連絡して。朝ごはん、昨日言ってたとこ行こ」

自分でも驚くほどスラスラと自然に言葉が出た。
日本に来てからというもの、どこか心の底が軽い気がする。
その理由を深く考えたくはなかった。

数分後、連絡をもらって来た彼女の部屋の前。
チャイムを押す直前、なぜか息をひとつ飲んだ。
扉が開いて、彼女の顔がのぞいた瞬間ーーその理由に気づく。

(……ああ。日本に来ると、本当に顔が柔らかくなるんだな)

まだほんの少しだけ眠たげな目、首筋に落ちた髪。
海外では滅多に見せなかった“隙間”があった。

JH「行こ?」

そう言うとはるなは頷き、マフラーを整えた。
並んで歩きながら、静かなホテルの廊下を進む。

エレベーターに乗り込む直前彼女が小さく息を吐く。

「日本語だけで生きられるの、久しぶりです」

JH「ふふ。いいじゃん。今日は甘やかされなよ、母国語に」

はるなが笑う。その気の抜けた様子が、どうにも胸に刺さった。



向かったのはホテルから少し離れた、知る人ぞ知る和食処。
個室に通され、座敷の扉が閉まると、外の気配がすっと遮断された。

畳の匂いと、出汁の香り。
湯気が静かに立ち上る急須。
小さな音で流れる和風なBGM。

JH(……こういう朝は、久しぶりだな)

鰹節削り器の音が、コトコトと奥で響く。
店主が丁寧に運んできた卵と白米、それから湯気をまとった味噌汁。

JH「これ、“削りたての鰹節”なんだって。卵かけご飯にかけると、世界が変わるらしいよ」

そうホームページに書いてあった。

「世界が変わる……?」
JH「店主が言ってたんだよ。楽しみだね」

はるなが笑っている。
その笑顔が柔らかすぎて、うっかり表情を作るのを忘れてしまいそうだと思った。

NAGOYA-Day2→←NAGOYA-EP/ MG



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (33 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
137人がお気に入り
設定タグ:seventeen , セブチ , SVT
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

Linaria(プロフ) - milkvetch179さん» きゃーー嬉しいですありがとうございます😍これからも楽しんでいただけるように頑張ります🎶 (11月15日 0時) (レス) id: 5491e187e2 (このIDを非表示/違反報告)
milkvetch179(プロフ) - 待っていました!!!嬉しいです🥺💕 (11月13日 15時) (レス) @page3 id: 50cdaa3150 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ぴち | 作成日時:2025年11月11日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。