心走1 ページ22
[side:JS]
午後の会議室は、冬の日差しが斜めに差し込んでいた。
大きなテーブルには、カムバック後の撮影資料と新しい企画のサンプルが並んでいる。
メンバー全員がそれぞれ椅子に寄りかかりながら、はるなちゃんの話を聞いていた。
「じゃあ、この案をもとに進めてみましょうか」
はるなちゃんが落ち着いた声でまとめ、全員が頷いた。
どのメンバーも、その言葉に安心感と信頼感が映っている。
自分も同じように頷いたけれど、目線は違うところにあった。
彼女の指先。
資料を揃えるたびに小さくなぞる爪。
それを見ているだけで、胸の奥のどこかがざわついた。
——隣のミョンホが、自然な動作でその手元を覗き込んだ瞬間。
MH「ここ、もう少しコントラスト落とした方が良くない?」
「うん、そうですね。私もそう思いました。照明を少し抑えるだけでも十分印象が変わると思うので、再検討します」
ごく普通の意見交換。
なのに、そのやりとりが、その距離の近さが、やけに目に刺さった。
別に、何も特別なことはない。
自分だって、何度も隣で同じように話してきた。
けれど——なぜだろう。
明らかに二人の距離感が縮まっているのを感じる。
ミョンホの声のトーン、彼女の目線、柔らかく頷くその表情。
そのひとつひとつが、自分の知らない顔をしているように見えた。
「ジョシュアさん、この後のピン撮影の進行確認お願いできますか?」
ふいに呼ばれて我に返る。
JS「あ、ああ。うん。もちろん」
笑顔で返せたはず。
けれど、その笑顔が頬の奥で少し引きつっているのを、自分でもわかっていた。
ああ、こんなにも胸がざわつく。
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Linaria(プロフ) - てちさん» ご指摘ありがとうございます🙇🏻♀️🙇🏻♀️初書きなものでなんの知識もなく、、危うく消されるところでした💧ありがとうございます😭🫶🏻 (10月9日 23時) (
レス) id: 69dc979765 (このIDを非表示/違反報告)
Linaria(プロフ) - 赤福さん» 嬉しすぎます…!!😭ありがとうございます🎶 (10月9日 23時) (
レス) id: 69dc979765 (このIDを非表示/違反報告)
てち(プロフ) - オリフラがたったままになっています(T_T)大好きな作品なので、削除されてしまったら悲しいです…お気づきになった際にご対応をお願いします。 (10月9日 23時) (
レス) id: 787950b0c2 (このIDを非表示/違反報告)
赤福(プロフ) - 大好きなお話です!!やばい。。 (10月9日 21時) (
レス) @page42 id: a06298082d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴち | 作成日時:2025年9月29日 14時


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