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第十八話 ページ19

少し昔の話をしましょうか。

私は“おんな”だ。
そして忍たまだ。くのたまじゃない。


私の“かぞく”は山賊だ。忍術学園に通う為の学費をくれたのも“かぞく”だ。
でも血の繋がりがある“家族”じゃない。


私は“男”の中で育った。勿論私以外にも“女”は居た。
でも私みたいな“おんな”じゃなくて“女”だ。
詳しく言うならば“女”は女の“よろこび”とやらを果たす為に私の“いえ”に来た人達だ。
でも私は“おんな”だから女の“よろこび”は貰わない。貰いたくもない。


私は忍術学園に入学することになった。
くのたまでは無く忍たまとして。
私が入学した当時、忍術学園にはくノ一教室が無かった。

正直言ってありがたかった。
だってくノ一教室に入学すれば、否が応でも“女”にならなければならない。女の“よろこび”は要らない。


先程も言ったが、私は“男”の中で育った。
“かぞく”の中でも歳の近い人達は“きょうだい”だった。
その“きょうだい”達とは上手くやっていたと思う。だが私達が成長するにつれ、“きょうだい”達は“おんな”では無く“女”を求める様になった。

拒否すると決まって“きょうだい”達は私に言った。

___俺を好きだったんじゃ無かったのか?


そう言う“きょうだい”達と、それをして来なかった“きょうだい”達には違いがあった。
私が名前で呼ぶか、違う呼び方をするか。


そこで気付いた。“おんな”が名前で呼ぶと“男”は相手が“女”として見て欲しいのだと勘違いを起こすのだと。



さて、少し戻そう。

私はまた“男”達の中に入った。
私は同じ間違いは繰り返さない。
“おんな”の私は貴方達の事を名前で呼ばない事にした。
そうすれば差別化出来るから。

私は気高い“おんな”であり、私の“いえ”に来た“女”とは違う。勿論“女”達も気高い意思がある。でも気高さが違う。
私は“男”とも“女”とも違うのだ。



誰にも認めて貰えなくとも、私は“おんな”であり“女”では無い。幾ら響きが同じだろうと違うのだ。


私は“霧隠A”だ。

六年い組の人間であり、忍術学園六年唯一の“おんな”


だから私は人を名前で呼ばなかった。


だが今は違う。誰もそんな事はしないだろう。分かっているのだ。
私は大好きな人達を見付けて、大好きな仲間を見付けた。


でも、それでも、怖いのだ。
少しだけ、ほんの少しだけ、恐怖がある。だがそれも今なら我慢できる。


私は六年い組だから。

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設定タグ:RKRN , 忍たま乱太郎 , 逆ハー   
作品ジャンル:アニメ
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スイちゃんのご友人です! - 更新待機 面白かったです (2023年2月5日 18時) (レス) @page21 id: 5ad601e96f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:いちご飴 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Raino/  
作成日時:2021年4月26日 23時

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